スポーツ賭博で全米首位のNY州、年初から450億円の税収に

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バンクーバーに拠点を置くジオロケーション企業「GeoComply」によると、9月8日に開幕したプロフットボールNFLの第1週に、ニューヨーク州はスポーツ賭博アプリで1570万件のトランザクションを記録したという。

今年1月にスポーツ賭博を合法化したニューヨークは、NFLの第1週に全米のスポーツ賭博のモバイルのトランザクションの15.3%を占めて全米1位に立った。2位はペンシルベニア州で、3位と4位はミシガン州とイリノイ州だった。

ニューヨーク州ゲーム委員会の報告によると、同州のギャンブラーはスポーツ賭博が解禁されて以降に合計47億ドルを賭け、3億1450万ドル(約450億円)の税収をもたらした。

ニューヨークにおける市場の急拡大の背景には、人気チームの本拠地があることが指摘されている。8日にはニューヨーク州に本拠を置くバッファロー・ビルズとロサンゼルス・ラムズが対戦したが、ニューヨークのバッファローでのトランザクションは、前週の同じ曜日との比較で210%増となり、地元のチームを応援する人が資金を投入したことが伺える。バッファロー・ビルズは、来年2月のスーパーボウルの優勝候補にも挙げられている。

GeoComplyのCEOのAnna Sainsburyは、「これは多くのことの表れだと思う。その1つは、1950万人というニューヨーク州の人口の多さだ。また、非常に多くの人々が、お気に入りのスポーツチームに賭けをすることを楽しんでいる」と話した。

合法的なスポーツ賭博が普及するにつれ、違法なノミ屋のビジネスは衰退している。米国賭博協会が発表した調査結果によると、今シーズンNFLの試合に賭ける予定の人のうち、ノミ屋を利用すると答えた人は13%で、2021年の15%、2020年の18%から減少していた。

「この分野は、今や成熟した市場であり人々の多くは、ライセンス事業者の口座を持っている。ここまで来るのには8年近くを費やしたが、オフショア口座を持っている人は全体の4%程度に減少した」とSainsburyは指摘した。

ギャンブル市場でニューヨーク州を凌駕する可能性がある州は数少ないが、フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州は、スポーツ賭博が合法化されていない最後の大きな州だ。

人口3930万人を抱え、今年中に合法化に向けた投票が行われるカリフォルニア州が待望の市場を立ち上げたとき、ニューヨーク州がこの分野の王者でいられるかと聞かれると、Sainsburyは即座に「それはないだろう」と答えた。「人口が多い州では、市場も大きくなるはずだ」と彼は述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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