一方、米国にはターゲット以上に早くクリスマスセールを開始した小売店がある。最大手のウォルマートは、すでに10月1日から、ホリデープロモーションを開始。今年の年末商戦に向けて、4万人を採用する計画を明らかにしている。
ウォルマートはこの間のサービスの一環として、一部の商品は来年1月31日まで返品可能とした。車から降りずに返品ができる、返品する商品を自宅で回収しえもらえる(サブスクリプション型サービス「Walmart+」の会員限定)といったサービスも提供している。
「前倒し」は続かない?
年末商戦をさらに前倒しで開始することが、今後も定着するかどうかは不透明だ。専門家の一部には、小売各社のこうした対応に否定的な意見もある。
地理情報システム(GIS)ソフトウェアを手掛ける米エスリ(Esri)の小売業担当ストラテジスト、ギャリー・サンカリーは、次のように指摘している。
「今年のクリスマス商戦が期待外れの結果に終わり、12月にさらなるプロモーションを展開することになる可能性もある。そうなれば来年以降、前倒しの傾向はみられなくなるだろう」
また、ケンブリッジ・リテール・アドバイザーのマネージング・パートナー、ケン・モリスは、「ブラックフライデーは、常にその日(感謝祭の翌日)だ」と語る。
「私たちの大半が家族や友人と過ごし、一緒に買い物をするのはこの日であり、それは私たちのDNAに刻み込まれている。時期を早めて買い物をしてもらうようにするには、大幅な値引きが必要になる」
モリスは、定価で販売しないことは小売業者にとってのリスクであり、粗利益が減るという打撃を受けることでもあるとして、「リスキーなビジネスだ」と述べている。
(forbes.com 原文)