「奢れるものは久しからず、盛者必衰の理をあらわす……」とはどんな世界でもよく言われることですが、21世紀のデジタル化がいろいろな分野で王者交代劇を生んでいることは、読者の皆さんの肌感覚とも一致することでしょう! 今回の「データで発見、ワールド☆トレンド」では、決済における新旧対決にデータで迫ってみます。王者であるクレジットカードの巨人に挑むのは、プラットフォーマーが手掛けるデジタル決済です。
世界総発行枚数、250億枚
さて、決済の代名詞といえば、クレジットカードでした。
世界での総発行枚数が250億枚、日本でも約70%の人に普及していると言われています。クレジットカードの主要な企業といえば、Visa、マスターカード、アメリカンエクスプレスですが、その中でもVisaは年間で10兆ドル以上を取り扱っており、世界の決済サービス企業の中でもいわば絶対王者と認識されてきました。
いま、決済の世界ではどんな交代劇が起きようとしているのか……? 下記のグラフをご覧ください。
まず注目すべきはApple Payとアリペイです。この2社はすでにマスターカードやアメリカンエクスプレスを追い抜き、年間の総決済額で6兆ドルを超えています。そして、2社を単純に足し合わせると、すでにVISAをも抜き去っていることが分かります。
そして、プラットフォーマーとして名を連ねるのはGoogleです。同社のGoogle Payもアメリカンエクスプレスを追い越し、世界で年間約2.5兆ドルの決済を担っています。
王者vs挑戦者に喩えるならば、挑戦者がボディブローやローキックでじわじわと王者を追い詰めている……、というところでしょうか? KOや最終ラウンドというものは(破産や買収でもない限り)ビジネスでは存在しませんので、むしろウルトラマラソンのようなものかもしれませんが。
新世代の決済サービス
それはさておき、他にも、paypal、アマゾンペイ、サムスンペイといった、新しい世代の決済サービスが世界で利用されています。日本企業はこの分野では世界的に存在を示せていませんが、これからまだ、何が起こるかは分かりません(私たち次第です!)。
ちなみに、これらプラットフォーマーが手がけるモバイルペイメント、利用ユーザーはどれくらい存在するのでしょう? トップを走るのはアリペイの16億人、そしてApple Payが8億人、Googleペイが7.5億人と推定されています。日本のPayPayはというと、2022年3月の時点で約4700万人でした。
読者の皆さんもスマートフォンやスマートウォッチ、アプリなどで日々デジタル決済を利用しているかと思います。その感覚からすると、この王者交代劇も自然な流れに思えてきますがいかがでしょう、そしてZ世代は将来、何を使っていくのでしょうか。
次回もまたお楽しみに!
(世界最大級データポータル「Statista」の記事はこちら:Digital Payments Catch up to Credit Card Giants)。