英国、ジャンクフード規制を開始 物価高騰で一部見合わせも

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英イングランドで今月、店内のジャンクフードの配置に関する新たな規制が施行された。

英保健省(DHSC)によると、イングランドでは今月1日から、脂肪分や塩分、糖分を多く含む「HFSS」食品を店舗の入り口やレジ付近など目立つ場所に陳列することが禁じられた。

だが英政府は同時に、現在の生活費高騰を受け、HFSS食品を対象とした「一つ買えばもう一つは無料」などのまとめ買い割引を禁止する措置については、導入を来年10月に延期した。

すでに1年延期されていたジャンクフードの宣伝に対する規制については、公式発表はない。先月には、英政府が肥満削減に向けた政策を見直していることが明らかになり、リズ・トラス首相がジャンクフード規制の計画を取りやめた可能性も報じられた。

英食品飲料連盟(FDF)のカレン・ベッツ最高経営責任者(CEO)は「まとめ買い割引禁止の実施が延期されたことは、食品価格の急騰で苦境に立たされている消費者にとっても歓迎すべきことだ」と指摘。「われわれの業界は、肥満や悪い食習慣への対策で政府と協力を続けたいと考えている」と語った。

英国の成人は過体重の割合が過去最高の36%、肥満は28%となっている。子どもの過体重や肥満も増加しており、政府に対し早急な対策を求める専門家は多い。

法律事務所ゴードンズのパートナーで食品飲料サプライチェーン専門家のマーク・ジョーンズは、「肥満は現在、警察や消防署、司法システムを合わせたより多くの税金を消費している」と指摘。「新政権はHFSSの規制は不必要なのではと懸念しているのかもしれないが、肥満の増加には何らかの対処をする必要がある。短期主義的に行動しても、人々の体重は減らせない」と述べた。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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