マスクは5月に開催されたフィナンシャル・タイムズのイベントで、トランプのツイッターからの排除が「道徳的に間違っている」と述べ、彼が会社を買収したら禁止を撤回すると述べていた。
アカウントの復活はトランプだけに限らない。マスクは、ツイッターのパラグ・アグラワルCEOとのメールで、永久追放されたすべてのアカウントを復活させる意向だと述べていた。また、ツイッターの訴訟で開示されたマスクのプライベートなメールによると、匿名の人物がトランプ以外の右派の人物のアカウントを復活させるよう、彼に依頼していた模様だ。
さらに、極右メディアのアレックス・ジョーンズや共和党の陰謀論者として知られるマージョリー・テイラー・グリーン議員などのアカウントが復活する可能性も浮上している。
中間選挙が約1カ月後に迫る中、買収が速やかに完了すれば、マスクはトランプのアカウントを復活させることができるが、ツイッターのポリシー変更を実現できるかどうかは分からない。また、彼は選挙期間中の政治広告の取り扱いについての考えを明らかにしていない。
ツイッターは、競合のSNSに先駆け、すべての政治広告の全面禁止を実施している。一方で、マスクは以前からオンライン広告に強い嫌悪感を示しており、ツイッターは広告以外の収益源を探すべきだと述べていた。
マスクによるツイッターの買収は、アグラワルCEO含む同社のトップの粛清をもたらすとも予想される。ツイッターの社員は4日の社内会議でマスクの決断を知り、同社で大規模なレイオフが行われることを予想している。同社でマシンラーニングの倫理担当ディレクターを務めるRumman Chowdhuryは、「この状況にはもううんざりだ」とツイートした。
マスクは6月に行われた全員参加のツイッターの会議で、彼が経営を引き継いだ場合、全く影響を受けないのは一部の例外的な社員のみだと述べ、大規模なレイオフを示唆していた。
(forbes.com 原文)