米国の合法大麻産業、切っても切れない闇市場との関係

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大麻業界では、合法市場と違法市場が連携していることは公然の秘密だ。両市場が交差する機会は多い。まず、非常に高い税率と煩雑な規制によりなかなか利益を上げられない合法業者にとっては、闇市場が金銭面で魅力的な選択肢となる。さらに、大麻の生産・販売追跡システムにある抜け穴や、検査・流通・配送における規制順守や監査の欠如も、合法市場から違法市場への移行を助長している。

カリフォルニア州の大麻取締局もこの問題を把握しており、州内の違法市場取り締まりに取り組んでいる。昨年には約227トン以上の大麻を押収、約120万本の大麻草を除去し、200人近くを逮捕。だが、カリフォルニア州からは大量の大麻が他州に出荷されており、同州だけではこの問題を解決できない。

税率の引き下げや連邦法での大麻合法化がない限り、合法・違法市場の相互依存は続くだろう。ベテランの大麻活動家で、大麻販売許可を得た店を黎明期から開業したスティーブ・ディアンジェロは、大麻産業は数十年にわたり規制されず続いてきたことから、法律による規制は不可能だと指摘。「禁酒法が教えてくれた教訓が一つあるとすれば、それは力づくで市場を支配することはできないということ。市場を制御できる唯一の方法は、市場の力を使うことだ」と語った。

連邦法がどうなろうとも、全米の大麻消費者はカリフォルニア産の大麻を合法あるいは違法に購入し続ける。これまでに法律が大麻産業を止めることはなかった。それはこれからも同じだろう。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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