―視覚障害を持つ方も含め、多くの人に感動を届けるという意味ではワインもアートも似ているところがあるとお考えでしょうか?
ワインもアートも、思考やビジョン、素材を解釈したもので、最終的に人に喜びを与えるという意味では共通していると思います。
―アートでもあり、ワインでもある。こちらのボトルの楽しみ方はどのように捉えていらっしゃいますか?
アートボトルはアート作品として飾って楽しむことも、またはオーナー様が飲むこともできます。どんな経験を求めていらっしゃるかで、自由に楽しんでいただけるのです。
―ボトルを手掛けたアーティストはスウェーデンの芸術家、ナタリー・ユールベリとハンス・ベリです。アーティストにはどんなリクエストをしたのでしょうか?
最高醸造責任者のアクセル・ハインツが、毎年醸造中からワインの状態を注意深く観察してテーマを決めています。2019年のヴィンテージは並外れたエネルギーを持っているので、テーマは『イル・ヴィゴーレ(力)』となりました。ハインツの説明のあと、二人は、「イル・ヴィゴーレ」を変容、自然の周期、変形と解釈し、同時に、人間と地球との関係をアート作品で表現しました。また、毎年、依頼するアーティストには、アートボトルの作成だけでなく、オルネッライアの敷地内に作品を作ってもらっています。
ナタリー・ユールベリとハンス・ベリ
―これは同時にワインにアートの価値を加えたいという意味でもあるのでしょうか?
そうですね。実際、このプロジェクトは、ワインの専門家だけでなく、ワインを含めた芸術が与える美しい感情を探しているすべての人々、そしてより広い一般の人々に、ワインの文化を広めることに貢献していると思います。