DNVBによるサブスクリプションサービスでは、一般的に食品、スナック、美容、健康、ウェルネスのカテゴリーで提供されており、ブランドと消費者の双方にメリットをもたらしています。消費者は製品の割引や新製品の試用などのメリットを享受し、DNVBはブランドの露出や利用者を新規顧客に転換するチャンスなどのメリットを享受しています。
・2014年に設立されたSnackNationは、カスタマイズされたスナックや飲料を厳選し、お客様がより健康的な食品を選択するきっかけとなることを目的とした健康スナックの定期購入ボックスを提供しています。また、新興のCPGブランドと提携し、消費者インサイトを活用したスケールアップを支援しています。
・2014年に設立されたUniversal Yumsは、スナックやキャンディーのサブスクリプションサービスを提供しています。毎月のサブスクリプションボックスでは、異なる国の様々な商品を取り揃えています。創業以来、500万箱以上を出荷しています。
・2018年に設立されたMunch Addictは、世界各地のスナックを厳選して消費者に届ける国際的なスナックボックスを提供しています。アドオンスナックオプションとともに、サブスクリプションベースのサービスを使用して運営されています。
5. 中小CPGブランドによるソーシャルメディア活用の増加
パンデミックに端を発した消費者のEコマースへの移行により、中小およびDNVBのCPGブランドは、InstagramやTikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームを利用して、コミュニティや顧客とのつながりを構築し、消費者による発見につなげています。
・栄養価の高い粉末食品を製造するHuelは、Instagramで自社製品と既存のHuel顧客の両方を紹介しています。多くの場合は、自社製品を使用している人が投稿したレシピを使って製品の利点を伝えています。
・エネルギー、プロバイオティクス、鎮静効果のあるガムを販売し、ガムの定期購入サービスを提供しているRunGumは、CEOであるオリンピック選手のNick Symmonds氏が出演するTikTok動画を通じてブランド認知を高めています。動画では、Symonds氏が、縄跳びや足踏みレースなどの運動競技に見知らぬ人と挑戦しながら、RunGumの利点について話しをしています。
今後、従来のCPGブランドはデジタル消費者を獲得するために、中小のブランドやDNVBの足跡をたどり、ソーシャルメディアを活用して消費者とよりよく関わり、消費者との双方向の対話を確立するブランド戦略を構築する必要があるでしょう。
6. 従来のプレーヤーによるマルチチャネルマーケティングの増加
パンデミックから抜け出すにつれ、CPG企業はオムニチャネル・マーケティングを続け、デジタル広告費を増やしていくと思われます。以下の図7は、広告・市場分析プラットフォームであるMediaRadarによる、米国におけるCPGの広告媒体別総支出額を示しています。