ビジネス

2022.10.13 13:00

アメリカ消費財市場の10大トレンド


CPG小売企業各社は、プライベートブランド商品の品揃え、価格設定、マーケティング、コミュニケーションの改善に注力し、それぞれの商品のストーリーや 価値提案を明確に定義する必要があるでしょう。また、プライベートブランド商品の在庫管理単位(SKU)の価格を競合他社と比較し、価格に敏感な買い物客の増加に対応するため、価格調整策を採用する必要もあるでしょう。

さらに、プライベートブランドは単に価格が安いという先入観を払拭するために、調達やイノベーションの詳細を伝え、売上と消費者の認知度の向上につなげることも必要でしょう。

4. DNVBによるEコマースのプレゼンス向上


競争力を維持し、デジタルな選択肢を求める消費者の需要に応えるため、CPG企業各社は、オンラインプレゼンスを向上させ、在庫管理と柔軟性を高め、データを活用し、顧客にパーソナライズされた体験を提供するデジタル・ネイティブ・バーティカル・ブランド(DNVB)に注目しています。

米国の食品、飲料、食品サプリメント市場におけるDNVBの売上は、消費者のオンラインショッピングの定着、DNVBのオフラインでの拡大、大手小売企業との提携などを背景に、2022年には40%増の18億ドルに達すると予測しています(図6参照)。

図6. 米国食品・飲料・食品添加物市場におけるDNVBの総売上高(左軸:10億米ドル)と前年比(右軸:%)の推移

出展:Coresight Research

既存のCPG企業も、こうしたビジネスモデルを既存ブランドに採用したり、すでにこの市場に参入している小規模ブランドの買収を行っています。

・2019年、P&Gは環境配慮型ブランド「EC30」をDNVBとして設立。

Unileverは、2021年8月にDNVBのスキンケアブランド「Paula’s Choice」を買収。

Nestléは、2021年8月に米国のビタミン、ミネラル、サプリメント、栄養製品のメーカーであるThe Bountiful社を57億ドルで買収した後、Nestlé Health Scienceが米国DNVB市場に参入。

DNVBの間では、サブスクリプションモデルが広まっています。2021年の米国サブスクリプションEC市場は、全体で147億ドルに達したと推定され、2022年には1桁台の高い成長率になると予想されています。そのため、新規または既存のプレーヤーにとっては大きなチャンスがあるでしょう。
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文=RxR Innovation Initiative

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