ビジネス

2022.10.13 13:00

アメリカ消費財市場の10大トレンド


・2022年2月、NestléはOrgain(プロテインパウダー、シェイク、バーを製造する植物性栄養食品会社)の株式の過半数を非公開の金額で取得しました。この投資は、健康・ウェルネス事業を成長させるためのNestléの最近の取り組みの一環で、消費者が重視するオールナチュラルカテゴリーでの存在感を深めています。契約によると、同社は2024年までにOrgainを完全買収する予定です。

Coca-Cola社は2021年11月、ニューヨークのスポーツドリンクメーカー、BodyArmorを買収しました。2018年に同社の15%の株式を取得済みで、残りの85%の株式を56億ドルで取得しました。BodyArmorは、Coca-Cola社にとってスポーツドリンクや健康・ウェルネスカテゴリーで進めるイノベーションに欠かせない存在となるでしょう。

Unileverは、2021年4月に機能性・栄養サプリメントの製造・販売を行う米国のOnnitを非公開の金額で買収しました。

3. プライベートブランドによる市場シェアの拡大


パンデミックの際、多くの大手CPGブランドの商品が、買い占めや在庫切れで棚から姿を消したため、プライベートブランドが注目を浴びるようになりました。消費者は、好みのブランドを購入することができなくなったため、プライベートブランドに切り替えたのです。しかし、2021年には、連邦政府の支援制度と規制緩和により、休暇や外食への支出が増加し、大手ブランドが再びシェアを拡大するようになりました。

しかし、現在、再びトレンドが変わり始めており、2022年にはプライベートブランドがシェアを伸ばしています(図5参照)。

図5. 米国食品・飲料の有名ブランドとプライベートブランドの販売金額別市場構成(総販売金額に占める割合)

(図内の訳、コメント「インフレに伴うCPG価格の上昇と、消費者の安価なプライベートブランド製品への切り替えにより、2022年の残り期間もプライベートブランド製品のシェアは伸びると思われる」)
*オンライン販売を除く
*2022年6月5日現在
出典:IRI POSデータ/Coresight Research

景気の不透明感やインフレが進む中、CPG各社の値上げに伴い、価格に敏感な消費者がより安価なプライベートブランド商品に切り替える可能性があるため、プライベートブランド商品の市場シェアは今後も拡大することが予想されます。そのため、CPG小売企業各社はプライベートブランド商品の拡大・刷新を計画しています。

食品産業協会の「2021年のプライベートブランドの勢い」レポートによると、小売企業とメーカーの91%が「今後2年間にプライベートブランドへの投資全体を増やす予定である」とし、77%が「プライベートブランドの品揃えとサプライヤー戦略の変更または見直しを行っている」、58%が「新しいプライベートブランドの追加に取り組んでいる」と回答しています。
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文=RxR Innovation Initiative

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