10月4日に発表されたこの取引で、ネイバーはポッシュマークの全株式を一株あたり17.90ドルで購入する。これは前日の終値に対して15%のプレミアムだが、昨年1月のIPO時の株価の42ドルの半分以下だ。ポッシュマークはネイバー傘下の独立子会社となり、創業者でCEOのマニッシュ・チャンドラ(Manish Chandra)が率いる経営チームはそのまま存続する。
「当社とポッシュマークが一緒になることで、あらゆる需要に応えるサステナブルなショッピング体験の最前線に立つ企業が誕生する」と、ネイバーCEOのチェ・スヨン(Choi Soo-Yeon)声明で述べた。
サムスンの元エンジニアであるイらが1999年に設立したネイバーは、韓国最大の検索エンジン「Naver」と、メッセージングプラットフォーム「LINE」を運営している。同社の2022年第2四半期の営業収益は2兆ウォン(約2030億円)で、前年同期比23%増だった。Eコマースはネイバーの成長においてますます大きな役割を果たしており、同四半期の売上高は前年同期比約20%増の4400億ウォンを記録した。
ネイバーは国際的な事業拡大の一環として、米国での地盤を強化しようとしている。同社が韓国以外で保有する資産には、ロサンゼルスに拠点を置く電子マンガのウェブトゥーン・エンターテインメントや、昨年5月に6億ドルで買収したトロントに拠点を置くウェブ小説プラットフォームのWattpadなどが含まれる。
今回の買収は、今年3月に最年少でネイバーのCEOに就任したチェ(41)による過去最大の取引となった。彼女は、5月にネイバーが今後5年以内に日本、北米、欧州で「グローバル・ビジネス・エコシステム」を構築し、年間売上を122億ドルに倍増させ、月間アクティブユーザー数を10億人にすることを目指すと発表した。
ネイバーは現在、平均7億人のユーザーを抱えており、「カカオトーク」を運営するカカオなどの競合他社よりも上位に位置していると主張している。
ポッシュマークは、ネイバーの支援を受け、中期的にはアジアの他の先進国市場も含め、より広範な国際的拡大戦略を追求していく。2011年設立のポッシュマークは、ユーザーが中古または新品の衣類を出品することができ、15ドル以上の売上から20%の手数料を得ている。ポッシュマークの競合としては英国のDepopや日本のメルカリなどが挙げられる。
(forbes.com 原文)