Verisiumプラットフォームで注目すべき革新的な機能は、SoCの設計プロセスや過去のプロジェクト全体にわたるデータを蓄積することだ。そして、AIとMLモデルを使って、最適な設計を行う。
・Verisium AutoTriage(ベリシム・オートトリアージ)は、回帰エラーの繰り返しを自動化するためのMLモデルを構築する
・Verisium SemanticDiff (ベリシム・セマンティックディフ)は、アルゴリズムを使用して、IPやSoCのソースコードとリビジョンを比較し、バグのホットスポットをピンポイントで特定する
・Verisium WaveMiner(ベリシム・ウェーブマイナー)は、AIエンジンを適用して波形を解析する
・Verisium Debug(ベリシム・デバッグ)は、CadenceのJedAIプラットフォームを利用し、AIを使った根本原因解析を実現する総合デバッグソリューションだ
・Verisium Manager(ベリシム・マネージャー)は、AI駆動の最適化を実現したJedAIプラットフォーム上のIPおよびSoCレベルのフルフロー検証管理ソリューションだ
Cadenceはこれらのアプリケーションについて、より詳細な説明を用意しているが、以下に簡単な説明を抜き出してみた。Verisium Managerは、検証エンジンであるJasper、Xcelium、Palladium、Protium、Heliumと連携し、それらをJedAIプラットフォーム上でネイティブに動作させることができる。
ビッグデータとAI分析が次世代SoC設計を牽引する
デジタル技術でビジネスを変革することのメリットの1つは、まさにこの原理、すなわちビジネスデータから価値あるビジネス分析を引き出すことだ。大局的に見ると、AIはあらゆる場所からのデータを効率化、コスト削減、分析を通してのビジネスのワークロードの効果的な最大化の推進材料として利用している。Cadenceは、このビッグデータと分析の原理をSoC検証プロセスに適用することで、SoC設計プロセスの生産性と効率性を大幅に向上させることができると考えている。
SoCの検証は、設計の検証に要する時間とリソースのために、ソフトウェアに次ぐコスト要因となっている。これまでのSoCの検証方法も単一エンジン、単一ランだったので、複数のエンジンで複数ランを実行できることは驚異的だ。第一世代のプラットフォームではあるものの、検証にかかっていた労力を大幅に軽減できるはずだ。