研究チームが、スーパーコンピュータを用いて超大陸の形成過程をシミュレーションした結果、1億年前に誕生した大西洋やインド洋などの「若い」海の海洋地殻は、太平洋などの古い海と比較すると、地球のマントルへ沈み込む可能性が低いことが判明した。
カーティン大学の地球ダイナミクス研究グループおよび地球惑星科学部に所属する、論文主執筆者のチュアン・ファン博士は、この新しい発見が重要であり、今後2億年の間に地球に何が起こるかについての洞察を与えてくれると語る。
ファン博士は「過去20億年の間に地球上の大陸は6億年ごとに衝突して超大陸を形成してきました。これは超大陸サイクル(supercontinent cycle)という名で知られています。つまり、現在の大陸は数億年後に再び1つになるということです」と語る。
「その結果誕生する新しい超大陸は、アメリカ大陸がアジア大陸と衝突することで(大西洋やインド洋ではなく)太平洋が閉じると考えられていることから、すでにアメイジア(America+Asia = Amasia)と命名されています。また、オーストラリアは、まずアジアと衝突し、太平洋が閉じたときにはアメリカ大陸とアジアを結ぶという、この重要な地球イベントの一翼を担うことになると思われます。
スーパーコンピュータを用いて地球の地殻変動がどのように進むかをシミュレーションした結果、3億年以内に太平洋が閉じてアメイジアが形成される可能性が高いことを示すことができ、これまでのいくつかの科学理論を覆すことができました 」
アメリカの地質学者クリストファー・スコティーズは、将来の超大陸の登場を予測した最初の科学者の1人であり、1982年には、2億年前に存在したPangea(パンゲア)超大陸と非常によく似たその未来の超大陸を「Pangea Ultima(パンゲア・ウルティマ)」と名づけた。