そんな中、グーグルの元CEOのエリック・シュミット(67)は、チェーンリンク(Chainlink)と呼ばれる暗号通貨がビットコインやイーサリアムなどの他の暗号通貨よりも「優れたテクノロジー」とスケールを備えていると述べている。チェーンリンクは、2020年に急騰し暗号通貨の時価総額ランキングで上位10位に入っていた。
チェーンリンクは9月28日、Web3関連のカンファレンスSmartConをニューヨークで開催した。シュミットは、昨年12月からチェーンリンクラボの戦略アドバイサーを務めており、このイベントでチェーンリンクラボの共同創業者のSergey Nazarovと共に登壇した。
チェーンリンクは、オラクルと呼ばれるソフトウェアを使用してデータをブロックチェーンに接続し、分散型ネットワークの拡張を支援している。同社の暗号通貨のリンク(LINK)は、昨年5月に史上最高値を記録して以来、ビットコインやイーサリアムなどの価格の下落を上回る80%以上の暴落を記録している。
シュミットは、ブロックチェーンベースの分散型インターネットであるWeb3が、シリコンバレー中心のWeb 2.0にいずれ取って代わるという考え方が、「普通ではない」と述べ、イーサリアムなどのスマートコントラクトが「実際は処理能力が低く、過剰に期待されている」と警告した。
しかし、シュミットは、イーサリアムが9月に待望の「マージ」へのアップグレードを行い、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を脱し、よりエネルギー効率の高いプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行したことが、「前向きな兆候」と捉えるべきだと述べている。
一方で彼は、迫り来る暗号通貨規制が時期尚早なものになる可能性を警告した。「早々に規制を求めないことが大事だ」とシュミットは述べた。今年に入り、各国の規制当局は、暗号通貨業界のイノベーションを阻害しかねない規制をまとめ始めた。
ホワイトハウス科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)は9月8日、環境負荷が高いビットコインのマイニングを禁止する可能性を示唆した。バイデン大統領は、政府機関にビットコインなどの暗号通貨の監視を強化するよう指示しており、時価総額1兆ドルの市場が脅かされる可能性が浮上した。
(forbes.com 原文)