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2022.10.07 08:45

パタゴニア創業者、83歳 「シマリスで飢えをしのいだ」若き日々も

パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナード氏(c)Campbell Brewer


クライマーとして、またサーファー、釣り人、カヤックをする人としての彼の人生によって彼のデザインが生まれた。最初はクライミングのための道具、次に衣類だね。彼は、市場に存在するニーズを汲み取ろうとするのではなくて、特定のアクティビティにとってのニーズからスタートし、その解決策を見つけようとしてきた。
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1972年頃のイヴォン・シュイナード氏(c)Tom Frost

パタゴニアは最初、岩に擦れても耐えられるような頑丈なスポーツウェアから出発し、山で重ね着をするというコンセプトへと拡張していった。パタゴニア・プロビジョンズは同じ方向性から生まれたものだ。一つ一つの製品には、食品システムや農業の問題を解決しようとする意図がある。

イヴォンは自然を愛していて、自分も自然の一部だと感じていたし、自然を保護することが彼の会社の柱であり、環境負荷を最小化することが彼にとっての「質」であると定義していた。プロビジョンズでは、味、栄養、そして土壌を健康的にしていくことや、海洋の生態系の回復を助けることが、質として定義されている。
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──創業者のシュイナード氏自身は、アスリートからビジネスパーソンへの変化をどうやって成し遂げたのか?

スタンリー:アスリートでありビジネスをデザインと熱意、信条を真ん中において築いて行ったデザイナーであったイヴォンにとって、アスリートであることとビジネスを展開することは並立する存在だった。彼は両方を人生の早い段階から追い求めた。

パタゴニアは、自分たちが使うツールを改善することに熱意や好奇心をもつアスリートを採用してきた。また、アスリートが、卒業して採用されると、営業やマーケティング、環境に関するアクティビティなどの分野で才能が花開くこともあった。

自然への愛情、自然を守りたいという思いは、我々の分野で、デザイン、製造、マーケティングにおいて成功するためには大変重要だ。だから、山登り、スキー、魚釣り、サーフィンのどの分野でも、アウトドアのビジネスでは、元アスリートがビジネスにおいて活躍しているんだ。自分が大好きなことに打ち込むことが、ビジネスにおいても成功につながる。

(後編「パタゴニア創業者、シュイナード氏「崖っぷちを求めながら限界は超えない」の哲学」に続く)

高以良潤子◎ライター、翻訳者、ジャーナリスト。シンガポールでの通信社記者経験、世界のビジネスリーダーへの取材実績あり。2015年よりAmazon勤務、プログラムマネジャーとして、31カ国語で展開するウェブサイトの言語品質を統括するなど活躍。2022年より米国系大手エンタメ企業勤務。

インタビュー・構成=高以良潤子 編集=石井節子

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