ビジネス

2022.10.14 14:00

交渉の場における「頑固さ、非合理性、ナルシシズム」との付き合い方

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交渉は、ビジネスを行う上で大きな役割を果たす。交渉がうまくいけば、両者は事実関係に同意し条件や妥協点に到達するために協力し合う。このような結果は、何らかの有意義なかたちで利益をもたらすはずだ。しかし頑固さ、非合理性、ナルシシズム(SIN)のせいで、交渉が決裂することがあまりにも多い。

SIN、エゴ、基本的な事実に関する意見の相違、取引を成立させる理由と利益に関する見解の相違などは、交渉を停滞させる。イーロン・マスクとTwitter(ツイッター)の事例のように、このような対立が起こると、関係する組織や個人から時間、注意、資源を奪い、爆発する可能性がある。成功する経営者はいつ交渉し、いつ立ち止まり、いつ立ち去るかを知っている必要があるのだ。

理想的なシナリオ


取引がまだ始まったばかりの段階では、成功への道筋を容易に想像することができる。相手も当然、自分の言い分を理解してくれるだろうし、事実やその意味、メリットについても異論はないだろうと思いたくなるかもしれない。しかし残念ながら、現実の世界では、そのようなことはほとんどない。常に意見の相違があり、それを乗り越えていかなければならない。妥協が可能で、両者が同じ大きな目標を持ってテーブルにつけば、通常は合意に達することができる。このような状況は、一般的に企業のM&Aを成功に導くものであり、交渉のテーブルに着いたとき、すべての経営者が望むことだ。

頑固さ、非合理性、ナルシシズムへの対応


しかし、頑固さ、非合理性、ナルシシズムによって取引が阻害された場合、交渉はすぐに決裂する可能性がある。経営幹部は、このような事態が起こっていることを早い段階で認識し、このような状況では合意に達する可能性が低いことを明確に認識する必要がある。もし、どうしても取引を成功させる必要があれば、このような性格的な問題がなくなること、あるいは改善されることを期待するだけでなく、それを考慮に入れた戦略を立てる必要がある。

私自身のキャリアでは、TD Ameritrade(TDアメリトレード)があるテック企業を買収しようとしたときに、この問題に対処したことがある。その会社は、その取引に関わる重要な人物が理不尽な相手として非常に悪い評判だったため、話し合いを始めようとさえしなかった。そこで、この人物を交渉に参加させるのではなく、そのテック企業の背後にいる大手プライベートエクイティファームの代表と直接取引を行った。
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翻訳=上西 雄太

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