「大量の水から水のない世界への変遷は、私たちが思っていたほどはっきりとしたものではありません。水は一夜にしてなくなりません」と、フランスのInstitut d’Astrophysique Spatiale[IAS、宇宙天体物理学研究所]) 、 Laboratoire d’Astrophysique de Marseille(LAM、マルセイユ宇宙物理学研究所)、Université Paris-Saclay(パリ・サクレー大学)および Aix Marseille Université(エクス=マルセイユ大学 )に所属するジョン・カーターはいった。「ここに見られる地質環境の膨大な多様性は、単一のプロセスや単純な年表では火星の鉱物学の進化を説明できないことを示しています」
この地図はまた、地球の生命プロセスを別として、火星の地質環境には地球と同じような鉱物学的多様性があったことも示しているとカーターはいう。
同じ研究チームが、NASAの探査車パーサヴィアランスが現在探索しているジェゼロ・クレーターの鉱物マップも作っている。この地図は主に、泥と炭酸塩を正確に表現している。
火星のジェゼロ・クレーターとその周辺には、過去に水によって変成されたさまざまな鉱物が豊富に見られる。この近接画像はESAのマーズ・エクスプレスおよびNASAの火星探査機、ルコネッサンス・オービターが作成した全球マップのデータから作られた(ESA/MARS EXPRESS [OMEGA AND HRSC] AND NASA/MARS RECONNAISSANCE ORBITER [CRISM AND HIRISE])
ESAの探査機マーズ・エクスプレスは2003年以来火星に滞在している。同機関初の惑星間ミッションであり、着陸機のビーグル2は火星表面に降下し、鉱物の地図を作り、レーダーを使って永久凍土層を測定した。残念なことに着陸機のソーラーパネルはうまく展開しなかった。
マーズ・エクスプレス・オービター(軌道を周回する親機)ははるか以前に火星の南極の氷冠で水を発見しており、2020年にはその下にある湖を3つ発見した。
NASAの探査機マーズ・リコネッサンス・オービターは、2006年に火星に到着し、赤い惑星の地質と気候を研究している。
火星は近々、2年に1度地球に最接近する「衝」を2022年12月8日に迎え、地球から見た火星は、最も大きく、最も明るい2020年以来の姿になる。
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)