世界戦略車に生まれ変ったクラウン 欧米の目には新鮮に

別モノとなったクラウンが颯爽と走り抜ける/クラウン 2.5リッター・シリーズパラレルハイブリッド


さて、デザインはどうだろう。僕は今回、海外の目で見ることにする。

そのシャープで流れるフォルムはなかなか格好いい。全体的にシトロエンの匂いがあるし、Cピラー周りはアストンマーティンっぽいニュアンスもあるし、しかもリアの車幅いっぱいのワイドなテールランプはポルシェにインスパイアされたような感じがする。でも、ここでひとつ言いたい。ブレーキランプが小さ過ぎる! 500円玉のようなランプでなく、端までいっぱいの見やすいLEDランプにして欲しかった。

後ろから見たクラウン

でも、デカい21インチのタイヤを履いて、ベルトラインが高いファストバックなスタイリングは新鮮なので、多くの人に刺さると思う。上述の欧州高級メーカー風スタイリングの香りがするけど、新型クラウンは全体的に見ると、かなりスポーティで高級感がある。特にSUVには飽きたもののセダンにも乗りたくない顧客には、人気が出るだろう。

横から見たクラウン

室内も一新している。センターコンソールは、操作しやすい12.3インチのワイドディスプレイが主役だけど、全体的な雰囲気は非常に落ち着いたリッチな感じになっている。スイッチ類はだいぶ減らされ、やはり誰もがすぐ操作したくなる、エアコンやシートヒーターなどのスイッチ類は残しているところが、良いね。また、このクラウンはデザイン重視ではあるけど、視認性が意外に良い。リアミラーから後ろの車両がしっかり見える。

運転席の写真

シートの写真

走りはどうだろう。駆動方式はFFではなく、全車とも後輪をモーターで駆動する電気式4WDなので、ニュアンスとしては「FRにこだわるBMWから、FFベースの4WDのアウディになった」くらいの感覚といえる。クラウン・クロスオーバーは、カムリやRAV4などに使われているTNGAプラットフォーム(GA-K)をベースとしているけど、乗り心地はなかなか上質でしなやか。
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文=ピーター・ライオン

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