我々はキャリアアップを目指すとき、「常に動き続けること」に焦点を当てる。しかし、忙しくしていることと、本当の意味で生産的であることは異なる。残念ながら我々は、日々の出来事の細部に没頭するあまり、一歩下がって確認することを忘れてしまいがちだ。
キャリアを進む道では、一歩下がって「ズームアウト」する時間が必要だ。以下では、そうした時間が必要である、大きな理由を3つ紹介しよう。
1. 目標が明確になり、それに沿って生きやすくなる。
仕事に追われていると、なぜそれをやっているのかを忘れがちになる。一度立ち止まって、「何をしたいのか」と自問することで、目標を確認することができる。
もし、その目標が最初からのものと一致していれば、確信を持つことができる。また、目標が変わっていたとすれば、それも貴重な情報だ。今の目標が以前と違う理由について深く考え、軌道修正し、集中力を持続させることができる。ただし、目標を明確にするだけでは不十分だ。その目標を達成するための計画を立て、脱線しそうなことから遠ざかる必要がある。
このように、ズームアウトすることは、自分がどのように日々を過ごしているかを意識する良い機会になる。また、「いま自分がしていることが、短期的・長期的な目標に合致しているか」を自問することで、時間の使い方を見極め、時間を意図的に使うことができるようになる。現在の行動が目標に合致していないのであれば、もっと生産的な他の道をとるようにしよう。
2. あらゆる可能性に目を向け、検討することができる。
キャリアの目標に集中しようとするときには、できるだけ最短距離をとろうとしがちだ。しかし、目標へと続く道は、「直線的な道」ではないこともある。
チャンスとはしばしば、狭く引かれた境界線の外側や、慣れ親しんだコンフォートゾーンを超えたところに存在することがある。だから、少し下がってみることで、「直線ではない道」が、経験の貴重な深さや豊かさをもたらしてくれることに気づくかもしれない。
目標がはっきりしている場合でも、ズームアウトすることで、全体像が見え、新たな挑戦を探究できる。逃してしまうかもしれない他のチャンスについて、検討することができる。