ビットディアーは、ウーが2013年に共同創業した中国のマイニングチップ製造大手のビットメイン(Bitmain)からスピンオフした企業で、米国とノルウェーでマイニング事業を展開している。同社は、5000万ドルの投資で買収計画を開始し、投資ファンドなどの外部投資家からさらに2億ドルを調達することを目指していると9月27日のブルームバーグは報じた。
伝統的な金融プレーヤーらのマイニングへの関心が低下していることを考えると、ウーの試みはかなり大胆なものと言える。2021年は、マイニング企業の上場が相次ぎ、年末時点でナスダックに上場する企業は16社に達していた。しかし、時価総額が上位3社の上場マイニング企業のマラソン(Marathon)、ライオット(Riot)、コアサイエンティフィック(Core Scientific)らの株価は、それぞれ年初来で70%、69%、87%減少している。
昨年、ビットコインの価格が史上最高値に達したとき、マイニング業者は追加のマシンを発注した。しかし、これらのマシンは通常、到着までに最低でも6カ月かかり、3回の分割払いで完済される。ビットコインの価格が年初来で56%下落し、世界的に電力コストが上昇する中で、これらの業者のマージンは大幅に縮小し、資金難に直面している。
D.A.デビッドソンのアナリストのクリス・ブレンダーは、「これらの企業の多くは、第1、第2トランシェの支払いにすべての現金を使ってしまったため、最後の支払いがネックになっている。彼らにとって、買い手が現れるのは、非常にありがたい」と語った。
「ただし、このような状況下で投資家を説得するのは、ビットディアーであってもかなり難しいはずだ」と彼は付け加えた。
ビットディアーは、昨年11月にナスダックに上場するSPACの「ブルーサファリ・グループ・アクイジション」との合併によって上場すると発表したが、この取引は2度にわたり延期され、新しい日付は12月14日とされている。ブルーサファリの株価は、SPACブームが去り、暗号通貨業界が冬を迎える中でも持ちこたえており、年初来で3%上昇している。
(forbes.com 原文)