キャリア・教育

2022.09.29 16:30

求人広告への給与額掲載 義務ない地域でも計画する米企業が急増


全国や世界規模で事業を展開する企業にとっては、勤務地により異なる方針を採用してしまうことで問題が生じると人事専門家は指摘している。州によって規則を変えると、こうした法律がない場所に住む従業員にとって情報の不平等が生じてしまうのだ。

特に、経済規模が大きいカリフォルニア州の新法は大きな影響をもたらす見込みだ。ニューヨーク州も同様の法律を検討中で、今後、他の地域も追随するとヘンドリクソンはみている。

もちろん、こうしたデータを公表する準備ができていない企業もある。その理由としては、給与額が競合企業と同じ水準にないのではないかという懸念や、給与体系が社内で明確になっていないことがある。

だがもっと大きな要因は、給与額の不平等や、それが明るみに出た場合に従業員がどう反応するかについての懸念だ。WTWの調査では、企業の半分近くが、賃金情報の公表を控えてきた理由として、従業員の反応を挙げた。また4分の1は、役職や給与額の不透明さを挙げた。

しかし人事専門家は、被雇用者の間では賃金の透明性に関する考え方や期待が変化しており、企業は情報の開示をずっと避け続けることはできないと考えている。

ヘンドリクソンは「不正確な情報が広まれば混乱が生まれるため、雇用主はこの情報について主導権を握る必要がある」と指摘。「中途半端な真実や部分的な情報は自社に利さず、問題を解決するのではなく増やしてしまうことに雇用主は気づいている」と語った。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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