シャルル・エドシックでは、リザーヴワインと呼ばれる過去のワインを潤沢に貯蔵していて、中には20年以上の長い熟成を経たワインもある(リザーヴワインについて詳しくはこちら)。
以前、メゾンの醸造所で、1996年のリザーヴワインを試飲した。滑らかな口当たりながら、時を経てもなお活力があり、こうしたワインが高い品質を生み出すピースの一つだと実感した。
クレイエールで長期間熟成された、1989年ベースのNVシャンパーニュ(Mis en Cave 1990)。シャンパーニュの熟成の理想形で、時を経て輝く至高の作品だった
メゾンの哲学を最も反映したのが、フラッグシップのNV「ブリュット・レゼルヴ(Brut Reserve)」だが、これは、平均8年熟成したリザーヴワインが約40~50%ブレンドされて造られる。熟成されたリザーヴワインがブレンドされることにより、複雑味が加わり、重厚でリッチなシャンパーニュで、アペリティフとしてだけはなく、ガストロノミックな料理に合わせても楽しめる。
シャルル・エドシックのシャンパーニュ
このように時間をかけて生み出されるシャルル・エドシックの特徴的なスタイルは、多くのシャンパーニュラバーを虜にしている。2022年は、創業者の生誕200周年を記念する年。グラス一杯のワインを飲むときにでも、そのワインが造られた背景や創業者の信念に心を寄せることができる。
このシャンパーニュを飲むときには、新天地を開拓したシャンパーニュのパイオニアの姿を想像してみては。
島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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