キャリア・教育

2022.09.30 08:30

親の「見えない重し」をそっと取り除きたい 子育て拠点PORTOの挑戦

松崎 美和子
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子育て支援を担当する役所の窓口でも、とても親身になってくれた支援者がいる一方で、何かの情報について尋ねると「ちゃんと探しましたか? それはここに載っていますよね」と、リンクを何層も飛ばないとわからないPDFのページを見せられたり、健診などでの子どもの様子を答えると『それはお母さんがもっとこうしてあげないと』と指導されたりして、「落ち込んで帰ってくることも多かった」と言う。

たしかに自治体は「子育ては大事」といいながら、その制度の仕組みと情報の伝え方については、つい上から目線になりがちだ。PORTOのことを知った神戸市役所は、子育ての情報をうまく届けるにはどうすればいいのか、佳山から意見を求めることにした。


船に見立てた手作りの遊具

彼女の根底にある「見えない重しをそっと取り除く」ための取り組みは、とても当たり前のことのように感じられる。これを現場で実践できた自治体こそが、本当の意味での「子育てがしやすい街」と胸を張って言えるのではないだろうか。

連載:地方発イノベーションの秘訣
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文・写真=多名部重則

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