新生児検査で採取した血液、親の犯罪立証への流用は認められるか?

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新生児スクリーニングの血液サンプルが本来の目的とは異なる目的で使用されたのは、残念ながらこれが初めてではない。2011年のある研究では、新生児スクリーニングのサンプルの保存や使用に関する州法の規定について詳しく調べている。それによると、4州では血液サンプルの残りは州の所有物になるとされているほか、州側が新生児スクリーニング以外の目的に血液サンプルを流用した例も複数確認された。

とくにひどいのはテキサス州のケースで、新生児スクリーニングで採取された血液の乾燥サンプル800件が米軍の病理研究機関に送られ、科学捜査データベースで使用されていた。州の保健当局は、親の同意を得ずに血液サンプルを未開示の目的のために販売、交換、配布したとして訴えられている。

現状、新生児スクリーニングの血液サンプルの使用制限や保管、開示手続きなどを定めた連邦法は存在せず、州法での基準はまちまちで統一性がない。たとえばコネティカット州では、法律で新生児スクリーニングでのサンプル採取を義務づける一方、その保存期間は明示していない。他方、宗教上の理由による検査免除は法律に明記されている。

警察によって血液サンプルが使用あるいは乱用されるのを恐れた親が、検査を拒む方法を見つけようとすれば気がかりだ。そうすれば、なんの罪もない新生児が危険にさらされてしまうことになるからだ。

こうした懸念は10年以上前から出ていた。ニュージャージー州での訴訟は、新生児スクリーニングの血液サンプルの使用方法には依然として大きな抜け穴があり、乱用されかねないことを浮き彫りにした。

新生児スクリーニング制度、なにより子どもとその家族を守るために、血液の残留サンプルの保管期間や使用方法、使用者などを規定した統一的な州法もしくは連邦法を制定することが必要だ。法律によるこうした保護がなければ、親は子どもに新生児スクリーニングを受けさせないおそれがあり、それは家族側に甚大な結果を招きかねず、わたしたちの医療制度や小児医療にとっても大きなつまずきになるだろう。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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