しかし、ウェブブラウザのFirefoxを運営するMozillaが9月20日に発表した調査によると、これらのボタンは、ほとんど役に立たないものだという。
例えば、「興味なし」ボタンを使用しても、類似の動画のレコメンドがわずか11%減少しただけで、「低評価」ボタンの効果も12%にとどまっていたとMozillaは述べている。最も効果的なのは「チャンネルをおすすめに表示しない」ボタンだが、その効果も43%にととまっていた。
この調査は、Mozillaが開発したブラウザ拡張機能、RegretsReporterを自発的にダウンロードした2万人以上の参加者のデータに基づいている。さらに、Mozillaは拡張機能をダウンロードした2700人以上の人々を対象に、YouTubeのレコメンドについての調査を実施したが、調査対象者の約40%が、これらのボタンが役に立たないと回答していた。
Mozillaのシニアリサーチャーで今回の研究を主導したBecca Ricksは、「不要なビデオの多くは、ユーザーの報告をスルーしている」と述べている。
YouTubeの広報担当のElena Hernandezは、この研究の主張に反論した。「Mozillaのレポートは、当社のシステムが実際に動作する方法を考慮していない。当社は、ユーザーに動画やチャンネルのレコメンドを制御するツールを提供しているが、重要なのは、このツールは、トピックや視点全体をフィルタリングするものではないという点だ。特定のトピックをブロックすると視聴者に悪影響を及ぼす可能性がある」と、Hernandezは主張した。
Mozillaは長い間、YouTubeのアルゴリズムを精査してきた。2019年に同社は元YouTubeのエンジニアで同社を率直に批判するギョーム・シャスロにフェローシップを授与し、プラットフォームの人工知能(AI)システムに関する研究を支援した
YouTubeのコンテンツモデレーションは、最近になって注目を浴びている。先週は、YouTubeやTikTok, Meta、ツイッターの幹部らが、プラットフォーム上に表示される投稿やビデオについて上院の公聴会で証言した.
YouTubeのプロダクト責任者のニール・モーハンは、そこでヘイトスピーチやハラスメントに関する質問を受け、その1日後にYouTubeのポリシーの変更を発表し、過激派組織の勧誘や資金調達のためのコンテンツを禁止した。
(forbes.com 原文)