日本を含む11カ国の従業員2万人を対象に行ったMicrosoft(マイクロソフト)の調査「Work Trend Index」で、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に多くの従業員が通勤時間と引き換えに自宅で従来よりも長く仕事をし、生産性ブームの兆しがあったにもかかわらず、2年後には従業員と雇用者の間で生産性に対する考え方に大きな隔たりがあることが明らかになった。
この調査に参加した従業員の87%は職場で生産的であると答え、マイクロソフトは2022年初め、生産性に関する多くのサインが上向きだと報告した。同社は今春、自社プラットフォーム「Teams」のユーザーの1週間あたりの会議回数が、パンデミック開始以来153%も増加していることを発見した。重複する会議は46%増加した。少なくとも42%の人が会議中に電子メールを送ったり、同僚にメッセージを送ったりするなどマルチタスクを行っている。
しかし、調査に参加した管理職の85%は、ハイブリッドワークによって従業員が生産的に働いていると確信することが難しくなったと答えた。マイクロソフトは報告書で「生産性パラノイア」と呼んでいるが、これは労働時間、会議数、実際の活動を示す指標は増加しているにもかかわらず、管理職は生産性が失われることを恐れているという矛盾から生じている。
マイクロソフト副社長のジャレド・スパタロはフォーブスのインタビューで「労働者は『私はよくやっている』といい、経営陣は『それはどうかな』ということになる。本当の緊張が生まれつつある。どの企業もそれに全力投球している」と話した。
もちろんマイクロソフトは生産性ソフトウェアの巨大メーカーだ。この調査は、関連する問題に対処するのをサポートするために設計された新機能を展開する中で発表された。例えば、同社は従業員管理プラットフォームViva向けの一連の新しい製品アップデートを発表した。VivaとマイクロソフトTeamsの間で労働者の「目標」をより多く統合し、労働者のフィードバックを得るためのViva Pulseという新しいアプリや、人工知能(AI)を使って従業員からの質問を会社の専門家とマッチングする新機能などだ。マイクロソフトは2年前、プライバシーに関するいくつかの疑問がある中でツールの生産性の測定方法に変更を加えた。