・グローバルなデータ利用量の増加に対応
より多くの人々がデジタル環境およびバーチャル環境に多くの時間を費やすようになり、世界のデータ使用量は大幅に増加することが予想されます。Ericssonによると、5G技術は、単位トラフィック当たりのエネルギー消費量において、4Gネットワークよりも90%エネルギー効率が高いことが証明されています。
今後はバーチャルな世界に何時間も没頭するユーザーが増えるのに比例し、スクリーンタイムは益々増大していくでしょう。また、一般の人が仮想世界で時間を過ごすことに慣れる一方で、熱心なゲーマーの数は増え続けるでしょう。PwCとOmdiaによると、VRゲームの世界的な収益は、2022年の推定16億ドルから2024年には24億ドルに増加し、5Gの高度な接続性とアクセスの必要性を推進するとされています。
今後10年間は、5Gによってメタバースのデータニーズを満たすことが可能ですが、メタバースの技術やトレンドに伴い、総ユーザー数が増加し、使用事例が多様化すれば、5Gによって実現されることになる6Gは、さらに多くのデータ量をサポートできるようになるでしょう。
5G及び5Gに関連するメタバース実現技術の背景
5G技術の一般的な研究は既に2008年から始まっていましたが、2013年にエレクトロニクス企業のSamsungとHuaweiが共に5G開発に多額の投資を行う計画を発表しました。2016年にはVerizonが5Gネットワークのテストを開始し、その直後から多くの通信会社やサービス会社がパートナーシップを組み、2019年にグローバル5Gネットワークの構築に着手しました。
携帯電話ネットワークの各世代は、その時点では技術的な進化に驚くものがあり、後継機種は常に全機種をはるかに超えるものとなってきました。同様に、5Gはこれまでの携帯電話ネットワークと比較して、転送速度が大幅に向上しています(図2参照)。
図2. 携帯ネットワークの速度比較
*メガビット/秒(1メガビットは1000キロビットに相当)
**キロビット/秒
出典:Coresight Research/Verizon/Qualcomm
このままいけば、6Gは2030年ごろにリリースされることになるとみられています。5Gの構築は、世界的なデータ転送速度の向上に不可欠であり、5Gの最大100倍の速度を実現できる最終的な6Gネットワークのための構成要素を提供することになります。いずれのネットワークも、メタバース関連の活動が増加し続ける中、世界的なデータ利用の増加をサポートすることになるでしょう。