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2022.10.01 18:00

男性もなり得る「産後うつ」 予防のためにできること

Getty Images

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今回のテーマは「産後うつ」。産婦人科医で医学博士、広尾レディース院長の宗田聡先生に、産後のメンタルヘルスについてお話を聞きました。

女性の約15%が産後うつに


──「産後うつ」とはよく聞きますが、具体的にどんな状態を指すのでしょうか?

産後うつとは、産後1カ月以降にあらわれるうつ状態のこと。日本では約15%の女性が産後うつを発症し、約30%が産後にうつの症状に悩まされていると言われています。

現在、産後うつの早期発見と適切な支援をするために、産後検診では、EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票:Edinburgh Postnatal Depression Scale イギリスの精神科医John Coxらによって産後うつ病のスクリーニングを目的としてつくられた10項目の質問票)に応えてもらっています。ただEPDSはあくまでスクリーニングが目的なので、点数が高いからといって産後うつと診断することはできません。精神科医が基準にのっとって診断し、産後の「うつ病」とされます。

うつ病の診断基準となる症状は、大きくはふたつ。憂うつな気分になることと、なにに対しても興味が持てないことです。小項目として、食欲がない、食べすぎちゃう、眠れない、焦りがある、無気力になる、疲れやすい、思考力や集中力がなくなる、自殺願望がある、とったものがあります。それらの症状のいくつかがほとんど一日中、2週間続き、仕事や家事など日常生活に影響がある場合、うつ病と診断されます。


大きな環境変化が産後うつの引き金に


──「産後うつ」というくらいなので、産後はやはりうつ病になりやすいのでしょうか。

はい。うつ病の発症の原因は正確にはわかっていませんが、なりやすい傾向として、本人の性質と環境に起因すると言われています。

まず、もともとの性格として、ドイツのテレンバッハが提唱した「メランコリー親和型」と呼ばれる、真面目で几帳面で責任感が強い人ほどうつ病になりやすいということがわかっています。つまり、仕事や家事育児において、自分のキャパシティをオーバーしていても、手を抜くことも人に頼ることもできずなんでも完璧にこなそうとがんばりすぎてしまう。それで、うまくいかないことから自分を責めてしまい、うつ病になっていくのです。
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文=徳 瑠里香 イラスト=遠藤光太

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