心理学が教える「2人の関係を台無しにしない」ための2つのポイント

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2. 道徳的な価値基準を一致させておこう


浮気や不倫に対する意見だけが、2人の関係にくさびを打ち込む要因ではない。

『Journal of Personality and Social Psychology(個性と社会心理学ジャーナル)』に掲載された研究によれば、パートナーが倫理的行動とみなすものに差異があると、人間関係に問題が生じる可能性があることが示唆されている。

研究代表者であるカナダ・トロント大学の大学院生レイチェル・フォーブスは「身近な人が非倫理的な行動をとったとき、私たちは自分の道徳観を守ることと、その人との関係を維持することの間で葛藤することになります」という。

倫理的に曖昧な状況では、愛する人の味方をしてしまうのが人間の性だが、フォーブスは、このことが長期的には精神衛生上の影響を及ぼす可能性があるという。

フォーブスは「親しい人を守ることで、その人の誤った振る舞いから生じた重荷を背負っているように見えるのです」と指摘する。「私たち自身の道徳観が、彼らの行為を恥ずかしく思い、恥じ、罪悪感を抱くようにさせるのです」

そのような感情を克服する1つの方法は、あなたとパートナーの間で道徳的に適切な行動と見なせるものを一致させることだ。時間をかけて共通の道徳基準を確認することで、2人の関係の絆が強まる。これは、先立って(つまり、問題となりうる状況が発生する前に)行うこともできるし、アドホックに(つまり、曖昧な状況が発生してから反省し、共通の道徳的立場を確認する形で)行うこともできる。

愛する人の不品行について正直に向き合うことに悩んでいる人に、フォーブスは次のようにアドバイスしている。

「親しい人の悪行に直面したときに感じる相反する気持ちは、折り合いをつけることが難しいものです。それでも、愛する人の誤った振る舞いに直面したときに大切なことは、自身の道徳的価値観を振り返って、その行為が自分の価値観に合っているかどうかを考えることなのです」

おわりに


パートナーとの、お互いの意見の違いを尊重することは大切だ。しかし、お互いの譲れない部分を尊重することも大切なのだ。2人の関係の純粋さを守るために、道徳的、倫理的なあいまいさに対する2人の立場が完全に一致するように努めたい。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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