ビジネス

2022.09.24 09:00

百貨店のノードストロームが「ポイズンピル」導入 メキシコ企業の買収警戒か

Nordstrom(Getty Images)

米高級百貨店チェーンのノードストロームは20日、投資家が10%以上の株式を買い集めるのを防ぐため「ポイズンピル(毒薬条項)」を導入したと発表した。同社をめぐってはメキシコの小売業者リバプールが株式を10%弱取得したことを明らかにしていた。

ノードストロームは今回の措置について、特定の株式公開買い付け受けた対応ではなく、買収提案をはねつける意図もないとしている。ただ、ポイズンピルは自社の企業価値を過小評価した買収が仕掛けられそうなときに発動されることが多い。ノードストロームのポイズンピルの期限は来年9月19日までとなっている。

リバプールは先週、ノードストロームの株式を9.9%買い集めたことを認める一方、あくまで地理的な足場を分散させるための措置で経営参画を狙ったものではないと説明している。

リバプールは現在、ノードストロームの株式の16%近くを保有するブルース・ノードストローム元会長に次ぐ第2位株主となっている。ノードストロームの上位株主にはブルース以外にも、エリック・ノードストローム最高経営責任者(CEO)やピーター・ノードストローム社長ら創業家出身者が名を連ねている。

生活コストの高騰で米国の消費者が衣料品などへの歳量支出を絞るなか、ノードストロームの株価は年初来20%近く下落している。先月発表した第2四半期の純売上高は前年同期比12%増えたものの、多くの小売業者と同様、ノードストロームも過剰在庫を抱えて値引きを余儀なくされており、年間売上高予想は下方修正している。

一方、リバプールの株価は今年5%ほど上昇している。第2四半期には良好な在庫管理や販売構成の改善、売値の上昇が寄与し、売上高は2桁の伸びを記録している。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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