子どもの精神的健康をマインドフルネスと治療で支援へ 米2社が合併

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米疾病対策センター(CDC)のデータによると、米国では子どものおよそ5人に1人が不安障害やうつ、注意欠陥・多動性障害(ADHD)その他のメンタルヘルスの問題を抱えている。

だが、専門家による治療を受けている子どもは、そのうちわずか20%だという。国内のおよそ70%の郡には、小児精神科医が一人もいない。

新型コロナウイルスのパンデミックは、こうした状況をさらに悪化させた。CDCによれば、2020年4~10月に精神的な問題で救急外来を受診した子どもは、前年比でおよそ25~30%増加していた。

子どもとその家族により良いメンタルヘルスケアを提供することを目指し、昨年創業した米国のリトル・オッター(Little Otter)は、これまでに総額2600万ドル(約37億円)を調達。すでに1万以上の家族を支援し、その85%には、6回のコース終了までに症状の改善がみられているという。

その同社は先ごろ、子ども向けのマインドフルネスのトレーニングツールなどを提供する米リトル・レ二ゲイズ(Little Renegades)を買収したことを明らかにした。

リトル・オッターの共同創業者であるヘレン・エッガー博士は、不安やうつなどの精神疾患の治療に用いられる認知行動療法(CBT)は、ストレスや不安を軽減するマインドフルネスの実践と組み合わせて行うことができると説明している。

メンタルヘルスに対するマインドフルネスの臨床的価値を示すエビデンスは、必ずしも前向きなものばかりではない。BMJジャーナルズ・エビデンス・ベースト・メンタル・ヘルスに発表された最近の研究結果では、学校で行われるマインドフルネスのトレーニングは、その他の方法と比べて特に大幅に子どもたちのメンタルヘルスを改善させるものではないと指摘している。

だが、合併によってリトル・オッターのコンテンツ担当バイスプレジデントとなるリトル・レニゲイズの創業者、ブレイク・ビアーズCEOはこの結果について、「両社の合併の妥当性を示すものだ」と強調するとともに、次のように述べている。
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編集=木内涼子

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