同社のClimate Pledge Fundのダニエル・グロス(Daniel Gross)は、2023年からベンダーと配送センター間の、いわゆるミドルマイルの配送トラックにe-Fuelを使用する予定だと述べている。
e-Fuelは、従来のディーゼル燃料と同様に排気ガスを発生させるが、再生可能エネルギーから作られたクリーンな水素と産業廃棄物から回収された二酸化炭素を組み合わせて製造されるため、二酸化炭素を約95%削減できるという。アマゾンは、Climate Fundが昨年投資したカリフォルニア州サクラメントに拠点を置く「インフィニウム(Infinium)」からこの燃料を調達する。
アマゾンとインフィニウムは、初期段階として年間500万マイルの運行に必要なe-Fuelを用意するとしている。グロスとインフィニウムのCEOのRobert Schuetzleの双方は、この取引の財務的な詳細について言及を避けた。
アマゾンは、2040年までに事業所全体の二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指しており、さまざまな再生可能エネルギーの利用を拡大している。同社は、燃料電池メーカーのプラグパワー社から“グリーン水素”を大量に購入し、EVメーカーのリヴィアンからはバッテリー駆動の配送トラックを最大10万台購入する計画だ。しかし、アマゾンは先月の年次サステナビリティレポートで、2021年の事業全体の炭素排出量が前年比18%増の7150万トン相当に達したことを公表した。
「e-fuelsを用いる場合、エンジンの改造は必要ない。この燃料は、温室効果ガスとして大気中に放出されるはずのCO2をリサイクルし、製造には再生可能エネルギーを用いている」と、インフィニウムのSchuetzleは述べている。
アマゾンと同社が、このプロジェクトの立ち上げにカリフォルニア州を選んだのは、全米で最も人口が多い州だからだという。「南カリフォルニアには当社の顧客らが集中し、物流網も非常に発達している。今回のプログラムを立ち上げる上で、最適な場所と言える」と、アマゾンのグロスは語った。
(forbes.com 原文)