画像生成AIのMidjourney創業者が語る「AIアートが起こす混乱と未来」

AIが生成した画像(Getty Images)


強調しておきたいのは、これはアートの話ではないということです。これは、イマジネーションの話です。イマジネーションはアートに使われることもありますが、そうでないことも多いのです。Midjourneyで作成された画像のほとんどは、プロ用途としては使われていません。共有さえされていないのです。作品は他の目的、まさに人間的な欲求のために利用されているのです。

──とはいえ、あなたの製品のアウトプットは画像で、それは他のすべての特性に加えて、プロの文脈での商業的価値を持ちますよね。そして、これはそのプロ経済を大きく混乱させるものです。

私たちはボートを作っていて、誰かがそのボートでレースに参加することはできます。でも私はそのボートはレースのためのものであるとは限らないと考えています。もしレースで使うのであれば……まあ、そうなるかもしれませんね。使われた瞬間はそうでしょう。でも、本当に大切なのは人間性だと思うんです……。私たちは、画像を美しく見せたいのです。花がミツバチのために美しくあろうとしているのと同じです。それは自然の美しさであり、アートの美しさではありません。機械に意図はありません。そして私たちの意図も、アートとは無関係です。私たちは世界がもっと想像力に溢れた世界になってほしいし、醜いものよりも美しいものを作りたいのです。

──この技術を規制するための、管轄権や権限を持てる政府機関があると思いますか? また、あるとして、そうすべきだと思いますか?

わかりません。規制は興味深いテーマです。何かをする自由と、守られるべき自由のバランスが大切なのです。技術そのものが問題なのではありません。水と同じです。水は危険です、溺れるかもしれませんから。一方、水は必要不可欠なものです。危険な場合があるからといって、水を禁止したくはありません。

──まあ、その水はきれいにしておきたいのですけれどね。

それは、そのとおりですね。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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