ビジネス

2022.09.29 08:30

コロナ禍はチャンスだった アマゾン同窓生が創業したPeatixの今


──もしアマゾンで出会っていなくても、原田さんが立ち上げたPeatixの活動を知ったら、連絡を取って入社しようと思いましたか?

藤田:Peatixを後から知っても「面白い!」と思ったでしょうね。どんな人がやっているのか調べて、「はじめまして」と連絡を取っていたと思います。

吉田:僕は最後に入っていることもあり、「この3人のやっているビジネスを手伝いたい」という思いが一番のモチベーションだったから、会っていなかったら入社はしていないですね。実は、入る前はどういう会社なのかわかっていなかったから、他の人にも説明できなくて(笑)。「じゃあなんでそんなところに行くの?」と訊かれたときに「あそこに行ったらずっと笑っていられそうだから」と答えていましたね。


吉田健史VP of Solution Partner & BizDev

──友達と仕事をすることにやりにくさはありますか?

吉田:やりにくさは感じないな。敵ではない、敵にはなりえないと信頼しているからこそ、厳しいことも言い合える。

原田:過去には降りていった仲間もいた。当然、同じ船に乗り「続ける」のは難しいですよね。今も一緒にいる仲間とは、価値観が根底から合っているのでしょう。こうして仲間と仕事をして、それはしんどい時期もあったけれど、ようやく結果もついてきました。普通は経験できない成功体験もあり、本当に実にラッキーだと思いますね。

──コロナ禍が始まった時期も殺伐とはしなかった?

岩井:まったくしなかったね(笑)。コロナのようなどうしようもない大きな問題に対しても、アプローチ方法は色々あると信じていた。でも正直、ここまで「オンラインの時代が来る」という読みや確信はなかったです。コロナ禍まで、オンラインイベントの割合はたったの2パーセントでしたから。

それでもわれわれの強みである「困っている人が誰でも、セルフサービスで使えるツールを提供する」という方向へ舵を切れたのは、みんなの価値観が一致していたからこそだと思っています。


「ピーちゃん」は創業以来の同社のマスコット。取材時にはさりげなく写り込んで同社のPRをするのもミッションだ

藤田:とにかくオンラインイベントをやりまくったんです。「24時間オンラインイベント」も開催した(笑)。オンラインで活動するとはどういうことなのか、数カ月かけて知見と体験を蓄積しました。その準備や体験があったからこそ、正確な判断のもと、チーム一丸となって速やかなアクションが取れましたね。

岩井:マーケットからプロダクトアウトで需要を吸い上げる、というのではなく、Peatixが潮流を作り得た、とさえ思います。

原田:実は、コロナ以前からポッドキャストを企画したりして、バーチャルな企画に慣れていたのも幸運だったんですよ。オンラインの波に乗れたのも、乗るための準備ができていただけで、半分ぐらいは「ラッキー」だったんじゃないのかな。

構成=石井節子(文=松尾優人) 撮影=曽川拓哉

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