経済・社会

2022.09.21 11:30

米FRB、0.75%の利上げ見通し 注目すべきポイント

アメリカFRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

アメリカFRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

米連邦準備制度理事会(FRB)は20、21の両日、金利に関する会合を開き、21日に決定内容を発表する予定だ。金利先物市場では、0.75%の利上げが実施されるとの観測が強まっている。

だが、リスクは微妙に変化してきている。以前はより低い0.50%の利上げが予想されていたが、8月の米消費者物価指数では、食料品をはじめとする多くの物品の価格が予想よりも上昇。予想は変化し、今では1.00%という非常に大きな利上げの可能性もわずかながら(現時点で20%程度)出ている。ただ、0.75%が有力視されていることに変わりはない。

金利決定の発表は21日午後2時(日本時間22日午前3時)に行われる。FRBは記者会見を開くと同時に、経済見通しも公表し、今年末以降の金利水準やインフレ傾向に関する見解を示す予定だ。

注目すべき点


最近のFRBは、パウエル議長がタカ派姿勢を明確にしたジャクソンホールでの演説など、主要政策立案者によるさまざまな発言を通じ、インフレと利上げ停止の危険性を強調してきた。FRBは、確実にインフレを抑制するため、10月以降も利上げを継続すると見られる。

一方、市場の予想はより不透明で、FRBが年内にインフレ対策を終了する可能性もあると見ている。2023年かそれより早い時期に米国が景気後退に陥る可能性や、FRBが慎重姿勢に転じる可能性、年末あたりからインフレが実際に和らぐ可能性もあるからだ。

FRBの決定


FRBの決定は、それ自体が重要だ。0.75%の利上げを決める場合、FRB内でコンセンサスは取れているのか、それとも別の上げ幅を主張する意見があったのか? 経済見通しにも、将来の金融政策に関するヒントが含まれる。市場は、10月以降の利上げ幅が直近2回の会合よりも小さくなり、年末の政策金利は4〜4.5%前後になるとみている。FRBが市場の予想とは異なる見方をするかどうかが注目される。

2023年へ向けて


最後に、市場は23年の金利方針についての手掛かりを探すだろう。もちろん、「データ依存」の金融政策を進めているFRBも、その答えは見えていないかもしれない。市場は、23年の大半で4.5%の金利が維持されると予想しており、今年のような劇的な金利の動きはないとみている。もちろん、その予想が裏切られれば、市場が大きく揺れる可能性がある。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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