キャリア・教育

2022.09.25 11:00

ハーバード発「新しい成功の法則」! 充足感に導く鍵は「ダークホース」だ

イラストレーション=オリアナ・フェンウィク

イラストレーション=オリアナ・フェンウィク

Forbes JAPAN 2022年 9月24日発売号の特集は「Difference is a Strength! 隠れた才能を生かそう」だ。「何になりたい」から「どうありたいか」へ。

新しい時代、自分らしい新しい成功の形を模索する人たちと、東西の有識者たちに取材した本特集号から、米国のベストセラー作家で、『Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』(三笠書房)の著者である、トッド・ローズへの独占インタビューを一部抜粋掲載する。


トッド・ローズは現在、ボストンを拠点とするシンクタンク、Populace(ポピュレース)の共同創設者兼CEOだ。Populaceの前はハーバード大学で教授を務め、個性学研究所を率いていた。

2016年に米国で出版された『The End of Average』(邦訳『平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学』早川書房刊)は、長年、工業化、標準化社会に浸透している「平均」を基準に据える価値観の弊害を説き、大きな話題を呼んだ。

また、2018年に出版された『Dark Horse』(邦訳:『Dark Horse「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』三笠書房刊、神経科学の専門家、オギ・オーガスとの共著)では、通常のキャリアステップからは逸脱し、型破りの成功を収めた無名の人たちを数多く取材し、成功と充足(Fulfillment)が密接な関係にあることを突き止めた。

昨年邦訳が出版され、日本でも話題となった本書は、ハーバード大学で行われた大規模リサーチ「ダークホース・プロジェクト」が基となっている。ローズ自身も、17歳で高校をドロップアウト、10代で2人の子どもの父親になり、生活を支えるために量販店の予約販売部門や、 フェンスのワイヤーを売る仕事などで働き、生活保護をうけるまで苦労したが、研究と著作でその才能を開花させた「ダークホース」のひとりだ。

そのローズに、科学とリサーチを基にした「個性を生かす戦略」と、先が見えない新しい時代における、新しい成功の法則について聞いた。

──ハーバード大学で立ち上げた「ダークホース・プロジェクト」はどのようなものだったのか。

ダークホース・プロジェクトは「ダークホース」、すなわち「標準化システムから外れ、 型破りな成功を収めた人」を追いかけ分析した長期プロジェクトで、調査対象はありとあらゆる分野の専門家にわたった。例えばオペラ歌手やドッグ・トレーナー、外交官や建築家、操り人形師など。それぞれの達人がどのような道をたどってプロとして一流になったのか、従来の構造化されたインタビューではなく、本人たちそれぞれの言葉で語ってもらった。

私にとっても初めての定性的な研究で、とてもチャレンジングであったが、得られた結果にこれ以上ないくらい満足している。
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文=岩坪文子、荒川未緒 インタビュー=柴山由理子

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