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2022.09.22

引退表明したフェデラー 圧倒的な「コート外収入」の内訳

ロジャー・フェデラー(Getty Images)

セリーナ・ウィリアムズの引退表明から1カ月後、テニス界のもうひとりのレジェンドがラケットを置く決断をした。ロジャー・フェデラー(41)は9月15日、ロンドンで23日から開催されるレバー・カップが自身にとって最後の大会になるとSNSで明らかにした。

フェデラーがコートに偉大な足跡を残すことになるのは間違いない。また彼はこれまで、長年のライバルであるラファエル・ナダルとノバク・ジョコビッチとたえず比較されてきたが、こと収入に関してはテニス界の歴史を通じて並ぶ者がいないというのも疑いない。

1998年のプロ転向以来、フェデラーがATP(男子プロテニス協会)のツアーで獲得した賞金の総額は1億3100万ドル(約188億円)。これはジョコビッチ(1億5900万ドル)、ナダル(1億3200万ドル)に次ぐ歴代3位だが、コート外の稼ぎになるとフェデラーが圧倒する。フォーブスの推計によれば、フェデラーがこれまでにスポンサー契約などビジネスで稼いだ金額はおよそ10億ドル(約1430億円)に達する(税金や代理人などへの手数料を除く)。

フェデラーのコート外の収入は年間9000万ドル(約129億円)にのぼっており、スポーツ界では2位のレブロン・ジェームズ(バスケットボール)に1000万ドルの差をつけてトップだ。

ロジャー・フェデラー
Getty Images

そのためフォーブスの2022年版「最も稼ぐスポーツ選手」ランキングでも、フェデラーは獲得賞金が70万ドル(約1億円)にとどまったにもかかわらず7位にランクインしている。2020年版の同ランキングでは1億630万ドルを稼いで首位に立っており、フォーブスの「最も稼ぐテニス選手」ランキングでは17年連続で1位に君臨する。

フェデラーの賞金とコート外収入を合わせた生涯収入は、税金や代理人などへの手数料を支払う前の段階で11億ドル(約1580億円)と、ナダル(5億ドル)やジョコビッチ(4億7000万ドル)の2倍超。生涯収入が10億ドルを超えた現役選手は、ほかにジェームズ、フロイド・メイウェザー(ボクシング)、リオネル・メッシ(サッカー)、フィル・ミケルソン(ゴルフ)、クリスティアーノ・ロナウド(サッカー)、タイガー・ウッズ(ゴルフ)の6人しかいない。

フェデラーは十数のブランドと長期にわたるスポンサー契約を結んでおり、クレディ・スイスやリンツ、メルセデス、ロレックスなど多くは契約期間が10年を超える。20年間で計約1億5000万ドルの支払いを受けたナイキとの契約は2018年に終えたが、同年にはユニクロと10年間で3億ドルという大型契約を新たに締結している。

フェデラーはマイケル・ジョーダン、ジェームズ、ウッズに続いて、スポーツ界では4人目のビリオネア(資産額が10億ドル以上の富豪)になる可能性もありそうだ。フェデラーは母国スイスの新興シューズブランド「On(オン)」に2019年に出資しており、かなりの持ち分(比率は未公表)がある。同社は昨年9月に上場し、足元の時価総額は約60億ドル(約8600億円)に達している。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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