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2022.09.21 07:00

米国人の10人に1人がうつ病、コロナ禍で大きく増加

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新たな研究で、2020年には米国人のほぼ10人に1人がうつ病に苦しんでいると報告しており、メンタルヘルスの問題で苦しむ米国人が増加傾向にあり、特に青年や若年成人の間で増加傾向にあることが判明した。

コロンビア大学メールマン公衆衛生学部とニューヨーク市立大学の研究者が主導した研究によると、12歳以上の米国人の約9.2%が、2020年に過去1年間にうつ病を経験しており、その割合は2015年の7.3%から上昇していた。この研究の論文は9月12日、American Journal of Preventive Medicineに掲載された。

2015年から2020年の「薬物使用と健康に関する全国調査(NSDUH)」のデータを用いた本研究によると、18歳から25歳の若年成人の17%以上がうつ病を患っていると報告し、これはすべての年齢層の中で最も高い割合で2015年の10.3%から増加していた。次いで12歳から17歳の16.9%がうつ病を患っていると報告し、この数値は2015年の12.7%から増加していた。

論文の主執筆者のメールマン公衆衛生大学院のレニー・グッドウィン教授は、「今回の調査結果は、米国で高まる公衆衛生上の危機を反映したものだ」と述べている。

うつ病の割合は男女ともに増加しているが、女性(11.8%)は男性(6.4%)よりもうつ病を報告する割合が高く、世帯収入が低い人は裕福な人よりもメンタルヘルスに問題を抱える傾向が強い。また、うつ病に悩む米国人のうち、医療従事者に助けを求めたり、処方薬による治療を受けた人の割合は6%未満で、この数値は2015年から2019年にかけて変化が無かった。

うつ病は、米国で最も一般的な精神疾患であり、自殺につながる最大のリスク要因であるとされている。NSDUHのデータによると、うつ病の米国人の割合は2005年には約6.6%だったが、その後は徐々に上昇している。

コロナ禍の中で行われた研究で、行動制限や都市のロックダウンが、米国人と世界中の人々の精神衛生に大きな影響を与えたことが示唆されている。世界保健機関(WHO)のデータによると、パンデミックの最初の1年間で、世界の不安と鬱の割合は25%増加した。

米国におけるうつ病の割合はパンデミック以前は8.5%だったのに対し、2020年には27.8%と、最初の1年間で3倍になり、2021年には32.8%に上昇したとの研究結果もある。

政府関係者は近年、さまざまな政策変更を通じて、メンタルヘルスの問題に取り組もうとしている。しかし、うつ病の罹患率が上昇を続けるなか、当局は、広く入手可能で価格が手頃な治療メソッドにさらに大きな投資を行う必要があると、研究者は結論づけている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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