ヘンリー王子の軍服着用が一大事だった理由

女王の棺の警護(17日)をするヘンリー王子(写真奥)とウィリアム皇太子 (写真手前)/ Getty Images

エリザベス英女王の国葬が9月19日午前11時(日本時間午後7時)から、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた。

スコットランドのバルモラル城で8日に死去した後、空路でロンドンに運ばれた女王のひつぎは、国葬が行われる直前までウェストミンスター宮殿の大広間に公開安置され、衛兵らが交代で警護していた。


19日の国葬で、ヘンリー王子(写真右奥)は軍服ではなくモーニングコートを着用していた(Getty Images)

この間に注目を集めたのが、チャールズ新国王の次男ヘンリー王子が17日、およそ2年半ぶりに軍服を着て姿を見せたことだった。王子は兄のウィリアム皇太子、いとこのピーター・フィリップスと(その妹の)ザラ・ティンダル、ベアトリス王女とユージェニー王女の姉妹、レディー・ルイーズ・ウィンザーと(その弟の)セヴァーン子爵ジェームズとともに、ひつぎの警護にあたった。

ヘンリー王子は10年間、陸軍に在籍。2007~08年と2012~13年には陸軍航空隊の前方航空管制官とパイロットとして、アフガニスタンに派遣された。だが、それでも2020年に王室を離脱した後は、公の場での軍服の着用が認められていなかった。

米誌タウン&カントリーは16日、「バッキンガム宮殿は(12日に)葬儀参列者のドレスコードについて、「公務を行っている王室メンバーのみ軍服を着用すると発表した」と報じた。

一方、性的虐待疑惑を巡って王族に与えられる敬称の「His Royal Highness(HRH)、殿下」を“剥奪”され、公務から退いているヘンリー王子の叔父アンドルー王子はこの発表の時点ですでに、「女王への敬意を示すため、16日夜にひつぎの警護にあたる際には軍服の着用が認められる」ことが明らかにされていた。

その後、米誌ピープルはヘンリー王子について、チャールズ国王がひつぎの警護にあたるときには軍服を着るよう「要請した」と報じた。これについては、確執が伝えられてきたヘンリー王子夫妻と王室の関係が「修復に向かっていることを表すもの」との見方も示された。

CNNは14日、ヘンリー王子の広報担当者の話として、王子は女王の葬儀に関連したすべての行事で、軍服ではなくモーニングコートを着用するつもりだと伝えていた。
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編集=木内涼子

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