自分が今、子どもだったらと想像してほしい。お気に入りのディズニープリンセスについてのニュースをネットで検索すると、「水中ではメラニンが生成されない」などといった議論を暴走させる大人たちの書き込みがヒットする。それを見た子どもたちは、大人についてどう思うだろう?
90年代に『ライオン・キング3』や『リトル・マーメイド2』を見た子どもたちが受けた害は、質の悪いアニメを見せられたことくらいだろう。一方、現代の子どもたちは、白人が非白人に意図的に置き換えられようとしている主張する人種差別的な陰謀論「グレート・リプレースメント」に基づいた熱論を目の当たりにしている。
これが、ノスタルジアの風潮が私たちにもたらしたものなのだろうか? 古い作品のリメークで、親子連れや「大人のディズニーファン」全員を楽しませようとしたことにより、表面下に潜んでいた闇が顔を出してしまったのだろうか?
ありがたいことに、論争に加わっているのは子どもじみた大人だけではない。批判に反論するため、自分と同じような見た目のディズニープリンセスの姿に興奮する子どもの動画を投稿している親もいる。
つまるところ、この映画は子ども向けの作品であり、ひねくれた大人向けではない。成人男性たちがなぜそれに気付けないのか、理解に苦しむ。
(forbes.com原文)