Just Walk Outと新しいDash Cart(レジ機能を備えたAmazonのスマートショッピングカート)は、忙しい都市生活における時間節約ツールであり、同社の競争優位性であり続けています。また、これらの技術には、個人の買い物パターンを検知・分析し、貴重な買い物客データを収集するML機能が組み込まれています。
また、2022年6月、AmazonはStore Analytics(店舗分析)機能を導入し、データ収集と分析への取り組みを強化しました。この新しいツールにより、ブランドはJust Walk OutやDash Cartが組み込まれたAmazon GoやAmazon Freshの店舗で販売されている商品に対する買い物客の興味を追跡することができます。
また、Store Analyticsは、マーチャンダイジング戦略やプロモーションの改善にも役立てるほか、商品を棚から取っていく買い物客と実際に購入する等の比率を知る事もできます。
この新しいプラットフォームは、Amazonのフリクションレスな決済テクノロジーとデータ・インテリジェンスが提供できるものを知るための入り口となるでしょう。しかし、競争の激しい同市場におけるニッチな存在であることや、Amazon Freshの店舗でJust Walk Outが利用できる店舗が限られていることを考えると、その利点はまだ完全には解き明かされているとは言えないでしょう。
Amazonの決済機能付きカートであるDash Cart
What We Think
パンデミックの影響は、オンラインと店舗を問わず、食料品市場に今なお残っていますが、過去2年間の曲折を経て、Amazon Freshは物理的なネットワークを拡大し、データと技術の強みをさらに研ぎ澄ましていくと思われます。そして、これらはすべて、業界内の競争を激化させ、都市部の商業用不動産の再構築を後押しするでしょう。
ブランド/小売企業への意味合い
・小売企業は、Amazon Freshの技術とデータの優位性に対応する必要がありますが、今はまだ都市部や郊外の一部での展開にとどまっており、マイナーな存在です。
・競合他社はすでに小型店舗を展開し、デジタルとリアルなチャネルを統合しているため、当社ではJust Walk OutがAmazonの重要な競争優位性であると認識しています。競合する大手食品スーパーは、スマートレジのようなテクノロジーを優先的に試験導入し、実店舗での買い物体験を向上させる必要があるでしょう。
不動産企業への意味合い
・Amazonは今後も都市部や郊外に進出し、商業用不動産を活気づけることが期待されます。
※この記事は、2022年7月にリリースされたRxR Innovation Initiativeからの転載です。