Amazon Freshはディスラプターとなるか?
1年前の2021年6月、Coresight Researchでは、Amazon Freshの店舗は人口密度の高い郊外に集中し、オンラインと店舗の両方のニーズに対応するハイブリッドなプラットフォームを構築すると予想していました。また、Amazonがテクノロジーを活用することで、他の小売業者も近い将来から中期的に、自社店舗で同様のソリューションを試すようになると予想しており、今後もそのように考えています。
従来の食料品小売業者は、その広大なネットワークと人的資源によってオムニチャネルに強く対応してきました。しかし、Amazon Freshはそのようなクロスチャネルサービスに遅れをとっています。2022年6月現在、パンデミックを機に需要が増したカーブサイドピックアップは、Amazon Freshの一部の店舗でしか利用できません。その一方で、Walmartではほとんどの店舗で利用が可能です。
Amazon Freshが享受しているメリットの1つは、レジなし決済です。Amazonによると、2022年6月13日現在、Amazon Freshの33店舗のうち16店舗がJust Walk Out技術を導入しているといいます。
Amazon Goで初めて採用されたこの技術は、買い物客がAmazonアプリで店内のQRコードをスキャンするか、手のひら決済であるAmazon Oneを使用するか、Amazonのアカウントと連動した決済カードを挿入してJust Walk Outゲートを解錠することで、レジ列に並ぶ必要なく決済が行えるものです。
図3. Amazon Freshの米国店舗所在地
出典:ChainXY/Coresight Research
Amazon GoとAmazon Freshは、通常同じ地域で展開されており、最近では、2022年6月にバージニア州にAmazon Freshを3店舗出店しました。
一般的に、Amazon GoとAmazon Freshは、それぞれ都市部と郊外をターゲットにしていますが、Amazon Goは、2022年4月にシアトル郊外のワシントン州ミルクリークに6150平方フィートの店舗をオープンし、Amazon Freshの領域を試し始めました。
この新店舗は、これまでの最大規模のAmazon Goの2倍以上の広さですが、それでも最小のAmazon Freshよりは小規模となっています。これは、食料品に対するAmazonの明らかな試行錯誤を示しており、Amazon GoとAmazon Freshのフォーマットとコンセプトをミックスする過程にある可能性を示唆しています。
図4.Amazon Goの米国店舗所在地
出典:ChainXY/Coresight Research