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2022.09.20 07:30

グーグル創業者らが200億円注ぐ「双極性障害」の研究プロジェクト

グーグルの共同創業者のセルゲイ・ブリン / Getty Images

グーグルの共同創業者のセルゲイ・ブリン / Getty Images

グーグルの共同創業者のセルゲイ・ブリンを含む3組の慈善活動家たちが9月12日、世界で4000万人が罹患しているとされる精神疾患の「双極性障害」の理解を深め、治療法を開発するための取り組みに、合計1億5000万ドル(約215億円)を拠出すると発表した。
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ブリンとゲーム会社Robloxの創業者のデイビット・バシュッキ夫妻、Keystone Capitalの会長ケン・ドーテン夫妻の3組は、それぞれ5年間で5000万ドルを、BD²(正式名称はBD² Breakthrough Discoveries for Thriving with Bipolar Disorder)と呼ばれる世界規模の取り組みに出資する。

BD²は、専門家による共同研究に加え、遺伝学の研究プラットフォームや死亡患者の脳組織の分析、双極性障害患者を対象とした複数年にわたる研究に資金を提供する。

彼らは、かつて躁うつ病として知られていた双極性障害の研究と治療法の開発を再び活性化させようとしている。双極性障害は、230万人のアメリカ人が罹患する慢性疾患で、通常は思春期から青年期に発症し、極端な気分の変動を引き起こす。しかし、この病気の治療の進歩は遅れており、代表的な治療薬の一つである炭酸リチウムは、75年も前に開発されたものだ。
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それぞれの家族らは、個人的な思いからこのプロジェクトに参加している。ドーテン夫妻の4人の子どものうち2人は、10代後半で双極性障害と診断され、バシュッキ夫妻の息子も大学1年生だった2016年に診断された。さらに、ブリンの家族の一人もこの病気を患っている。

双極性障害は、何週間も眠れないほどの躁状態や、激しいうつ状態が続くことが特徴だが、薬物療法には、発疹や震え、体重増加などの不快な副作用が伴うことが多く、そのため薬の服用をやめてしまう人もいる。さらに、診断に何年もかかる場合もある。

BD²のマネージング・ディレクターは、かつて「ジャンク債の帝王」と呼ばれたマイケル・ミルケンが設立したシンクタンクの「ミルケン・インスティテュート」の慈善活動部門のカラ・アルティマス(Cara Altimus)が務めている。この取り組みは約2年前に、ブリン一家がミルケン・インスティテュートの指導のもとで障害に取り組みたいと言ったことから始まり、アルティマスがドーテン家とバシュッキ家をブリンらに引き合わせた。

BD²のロードマップには、新たな遺伝的危険因子の発見や、障害のメカニズムの解明などが含まれ、資金提供を行う研究の成果は、誰でも無料で利用できるよう、オープンサイエンス・プラットフォームで公開することが義務付けられている。
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編集=上田裕資

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