甘みを増すことは面白いアイデアだったかもしれないが、このアイデアの徹底的な審査(良い点と悪い点やメリットとコスト、潜在的なリスクの比較)を行っていれば、経営陣はこれが分別ある行動ではないことに気付かされたはずだ。
あなたの会社やチームがこれまで立ち上げの段階を飛ばしてきた場合、審査のプロセスを進める中で次のような問いを考える必要がある。
・どのような問題を解決しようとしているか
・このプロジェクトは、その問題を解決する最善の方法か
・これはリソース(時間、資金、資産など)の良い使い道か
・予想されるメリットはリスクを上回るか
・予想されるリスクにはどのようなものがあるか
・プロジェクトを行わない代償にはどのようなものがあるか
・プロジェクトは諦めるべきか
大規模な取り組みであれば、本格的なビジネスケースを準備したり実現可能性調査(フィージビリティスタディー)を行ったり、あるいはその両方を実施したりする必要があるかもしれない。
立ち上げ段階でどれくらいの範囲を分析対象とするかは、提案されているプロジェクトの範囲によって大きく変わる可能性がある。それでも最終的な目標は基本的には同じで、予想されるメリットがコストを上回るかどうかや、公式なプロジェクトとして進めることがその時点で最善のリソース活用方法なのかを見極めることだ。
上級職の関係者は分析作業を他者に任せるかもしれないが、実施の可否を判断するのは役員やその他の上級レベルの関係者である場合が多い。
プロジェクトを実行する許可が出たら、リソース(プロジェクトマネジャーやチームメンバー、プロジェクトマネジメントオフィスを含む)が割り当てられるはずだ。それから、プロジェクト計画書作成のための作業が始まる。プロジェクトの公式な計画活動が始まるのは、この立ち上げの段階が完了してからであることが多い。(ただ、2つの段階で重複する作業があることは一般的だ)
企業が立ち上げ段階を飛ばしてすぐに計画段階に入る場合、そもそも立ち上げるべきではなかったプロジェクトに貴重なリソースを無駄にしてしまっている。プロジェクトマネジメントの分野には「醜いものは若いうちに殺しておくこと」という言葉あるが、その通りだ。
(forbes.com 原文)