米国人の過半数が「政治暴力の増加」と「民主主義の後退」予測

Photo by Samuel Corum/Getty Images

米国人の大多数が、政治的暴力の増加と民主主義の後退を予測していることが、CBSニュースの世論調査で判明した。

この世論調査は8月29日から31日にかけて、米国の成人2085人を対象に行われたもので、回答者の64%が「今後数年間で米国の政治的暴力が増加する」と予測した。その比率は、2021年12月の57%から上昇している。

その内訳は、自身をリベラルと定義する人が72%、中道派が58%、保守派が68%だった。また、2020年の大統領選挙でバイデン大統領に投票した人たちと、トランプ前大統領に投票した人たちの間に差は無く、それぞれ70%が「増加する」と回答した。

次の世代で米国が現状よりも「民主主義的でなくなる」と回答した人が過半数の54%に達しており、「今と変わらない」が27%、「今よりも民主的になる」が19%だった。

また、意外なことに民主主義が後退すると予測する人々の割合は、民主党よりも共和党支持者の間で高く、共和党支持者の64%、トランプに投票した人の71%が「民主主義が後退する」と回答した。一方、民主党支持者のこの数字は44%で、バイデン大統領に投票した人の45%だった。

政治的ゴールを達成するための手段として、武力や暴力的手段に訴えることが「容認できない」と回答した人は86%を占めていた。

一方、全体の80%が、現在の米国が「親の世代よりも分断されている」と考え、67%が「異なる政治信条を持つ人々が、意見の相違を乗り越えられない」と考えていることも明るみに出た。

しかし、米国の政治的分断が進む中で、全体の過半数の57%が、この国が「共和党と民主党の2陣営に分割されることに強く反対」と回答した。この数値は共和党支持者の間では49%で、民主党支持者の間では62%だった。

この世論調査は、バイデン大統領が9月1日の演説で、トランプが盛んに用いるキャッチフレーズのMAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン、米国を再び偉大に)に由来する「MAGA共和党員」という表現を何度も使い、トランプを支持する彼らが「民主的国家の根幹を脅かす過激派だ」と攻撃した数日後に発表された。

今回のCBSの世論調査は、1日の大統領の演説の前に行われたもので、米国人の19%が「MAGAムーブメントの一員」であると自認していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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