今回の買収で、サンフランシスコを拠点とするFigmaの価値は、2021年6月にDurable Capitalやモルガン・スタンレーなどの投資家から2億ドルを調達した際の100億ドルの2倍に跳ね上がった。フィールドとウォレスは、各人が同社の約10%を保有しており、フォーブスは彼らの保有資産が、それぞれ20億ドルに達したと推定している。
デザイナー向けのGitHub的ポジションを築いたFigmaは、数百万人のロイヤルなユーザーベースを構築している。
アドビの会長兼CEOのシャンタヌ・ナラヤンは、声明の中で、「アドビとFigmaの組み合わせは、変革をもたらすものであり、共同作業から生まれるクリエイティビティを実現するという当社のビジョンを加速させる」と述べた。
今回の買収は、アドビにとって2018年9月に47億5000万ドルを投じた「マルケト(Marketo)」の買収以降で最大のものとなる。同社の直近の大型買収は、2021年8月に12億ドルを投じた動画編集ソフトメーカー「Frame.io」の買収だった。
FigmaのCEOのフィールドは、2023年に買収プロセスが完了した後も引き続き会社を率いることになる。フォーブスは、以前の記事でFigmaが2020年に7500万ドルの収益を上げたと報じたが、アドビは、Figmaの2022年の年間経常収益が現状の2倍の4億ドルに伸びると予測している。
フィールドとウォレスはブラウン大学でコンピューターサイエンスを学んでいるときに出会い、一緒に会社を立ち上げることを決意した。フィールドは、2012年に大学を中退し、ピーター・ティールの若手起業家育成プログラム「ティール・フェローシップ」から10万ドルの支援金を受けてFigmaを創業した。
同社の初期投資家にはインデックスベンチャーズやグレイロックパートナーズ、Phoenix Courtらが含まれている。
Figmaは現在、ネットフリックスやエアビーアンドビー、Zoomを含む大手企業に利用されている。フィールドは2021年のフォーブスのインタビューで、「デザインはチームスポーツであり、もともと共同作業から生まれるものだ」と語っていた。
(forbes.com 原文)