小さな命を守るため第3の母乳バンク設立を目指す

母乳バンク 公式サイトより

「災害などのリスク回避のため、3つめとなる母乳バンクを設立したい」、そんな思いのクラウドファンディングが行なわれている

「母乳バンク」とは、寄付された母乳を低温殺菌処理・細菌検査・冷凍保管して医療機関に提供するための施設だ。極低出生体重児(体重1500g未満の赤ちゃん)が自分の母親から母乳を得られない場合に、新生児集中治療室の要請に応じてドナーミルクを提供するという。

母乳には栄養以外に病気から赤ちゃんを守る「薬」としての効果がたくさんあり、極低出生体重児には粉ミルクよりも母乳を与えた方がかかりにくい病気もあるという。しかし、さまざまな理由で母乳をあげられないケースもあるため、母乳バンクやドナーミルクの存在がとても重要になる。

世界には50カ国750カ所以上の母乳バンクがあるが、日本は東京の日本橋に2つの施設があるのみ。日本橋周辺で災害などが発生すると、数千人規模の新生児に影響が出てしまう可能性がある。いますぐにでも、東京以外の新たな母乳バンクが必要とされている。

今回のクラウドファンディングは、国内3カ所目となる母乳バンクの機材(バイオメディカルフリーザ 2台、クリーンブース1台)導入に充てられる。場所は愛知県の藤田医科大学病院で、2023年度から運用開始となる予定だ。

提案者は昭和大学医学部小児科教授の水野克己氏。日本母乳バンク協会代表理事と日本財団母乳バンク理事長でもある。海外で母乳バンク設立を目の当たりにし、2014年の最初の母乳バンクを設立、ドナーミルクが必要な日本各地の乳幼児に提供されている。

クラウドファンディングサイト
「災害があっても命をつなぐため、第3の母乳バンクを立ち上げたい」

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