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2022.09.19

シリコンバレーのVC、Lightspeedがパリとベルリンで幹部を採用

Getty Images

カリフォルニア州メンローパークに本拠を置くベンチャーキャピタル「ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ」(Lightspeed Venture Partners)は、パリとベルリンで新たな幹部を採用した。同社は、アントワーヌ・モイラウド(Antoine Moyroud)とアレクサンダー・シュミット(Alexander Schmitt)を採用したことで、欧州大陸での地盤をさらに強固にした。

近年は、セコイアやCoatue、Iconiqといった米国の大手VCが欧州のスタートアップへの投資ブームに乗じてロンドンにオフィスを開設しており、ライトスピードも2021年9月にロンドンに拠点を開設した。Pitchbookのデータによると、昨年1年間に英国と欧州に注がれたVCの資金の総額は、1050億ドル(約15兆円)に達していた。

ライトスピードのロンドンオフィスを率いるポール・マーフィ(Paul Murphy)は、彼らがフランスとドイツにパートナーを持つことが、現地の初期段階の企業を特定する上で役立つと考えている。「米国やロンドンの投資家が、ベルリンやパリの最高のシリーズA企業と出会うことは難しい。シードステージで投資をする場合、すべての創業者について知っておく必要がある」と彼は述べた。

欧州のスタートアップは動きが速い


彼らのヨーロッパへの投資は、ウクライナ戦争に端を発するエネルギー危機や乱高下する株式市場、金利の上昇がスタートアップの評価に重くのしかかる時期と重なった。「欧州のスタートアップエコシステムの勢いは、こうした逆風に打ち勝つだろうし、欧州の企業は米国よりも動きが速い」とマーフィーは語る。

パリ在住のモイラウドは、スウェーデンの大手プライベート・エクイティEQTのベンチャー部門からライトスピードに移籍したが、それ以前は、ドイツの長距離バスのスタートアップ「FlixBus」や、フランスのAI企業「Dataiku」に在籍していた。

ベルリンを拠点とするシュミットは、ドイツのシード投資に特化したファンド「Cherry Ventures」を経て自身のスタートアップMergerspotを立ち上げた後、ライトスピードに入社した。

モイラウドとシュミットは、マーフィーやRoss Mason、Adrian Radu、そしてパロアルトとロンドンを行き来するNicole Quinnといったライトスピードの欧州ベースの投資家らに加わることになる。ロンドンの同社のチームの長年のメンバーであるRytis Vitkauskasは、8月に退任した。

ライトスピードは2021年7月、インド向けの投資とブロックチェーンに特化した専門ファンドの立ち上げに向けて、71億ドルを調達したと発表した。同社は企業向けソフトウェアへの投資を成功させて名声を築いたが、ここ10年はスナップや「カメオ(Cameo)」、女優のグウィネス・パルトローが立ち上げた「グープ(Goop)」などのコンシューマ向けサービスを提供する急成長スタートアップへの投資を強みとしている。

ライトスピードは現在、中国、インド、イスラエル、シンガポールのパートナーと国際的な投資を行っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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