バッテリー持ちが大きく改善、Apple Watch Series 8を勧めたい理由

Apple Watch Series 8は前モデルとほぼ変わらないデザインだが基本機能をブラッシュアップ


Apple Watchのユーザーはドライバー、または助手席等に座る同乗者でもよい。自動車で走行中に前後左右からの衝突、横転が発生した場合、ウォッチに内蔵する最大256Gの衝撃まで検知する高重力加速度センサーと、100万時間を超える実験と機械学習を繰り返して得た衝突データのアルゴリズムにより事故を判定。10秒のカウントダウン後にユーザーの反応がない場合、緊急通報サービスへ自動で電話をかける。


激しい衝突事故をApple Watchが検知。10秒間ユーザーの反応がない場合は緊急通報サービスが作動する

同日に発売を迎えるiPhone 14シリーズにも衝突事故検知の機能が搭載されているが、常時身につけるウェアラブルであるApple Watchの方が万一の事態に遭遇した場合でも手元で連絡が取れる可能性が高くなる。仕事などで1日の間に長時間自動車に乗る機会がある方はApple Watch Series 8に注目したい。

もう1つは、ユーザーの手首の皮膚温を測定するセンサーが内蔵された。機能の意図と皮膚温測定の仕組みについては、アップルが9月に実施した発表会でのハンズオンレポートの中で詳しく紹介しているので参照してほしい。


手首皮膚温が計測できるようになり、今後Apple Watchにユーザーの健康を見守るさまざまな機能が搭載される可能性が見えてきた

皮膚温測定の意図は、ユーザーの皮膚温が変化する傾向をヘルスケアアプリに集まったデータを元に可視化して体調の変化を知り、病気を未然に防ぐことだ。アップルは女性ユーザーのための周期記録の機能に皮膚温測定を連係させて、データの精度や使い勝手の向上を図った。Series 8から少し遅れて発売を迎えるApple Watch Ultraにも同じ機能がある。ユーザーの体温をオンデマンドに測定することを目的とした機能ではないので注意したい。

今後サードパーティのデベロッパーから皮膚温のデータをベースにしたストレス測定、その他の体調のバランスを知らせてくれるアプリサービスが充実することを期待したい。

キーボードが日本語入力に対応。コミュニケーション端末として飛躍


後発のUltraを除く2つの新しいApple Watchを試すことができたが、筆者はやはりApple Watch Series 8の方を買うべきアイテムとしてお勧めしたい。

ボーダーラインとなるGPSモデル同士の価格を比べると、新しいSEとの価格差は税込2万2000円だが、先に触れたユーザーの命と健康のバランスを見守る機能が使えるアドバンテージを持っているし、続いて触れる便利な「日本語キーボード」がSeries 8と、生産を完了するSeries 7だけに搭載されているからだ。


watchOS 9以降、Series 8とSeries 7のApple Watchが日本語文字入力を音声の他にキーボードからもできるようになる

日本語キーボードはwatchOS 9から実装する新機能。Apple Watchの画面に表示されるフリック入力に対応する日本語キーボードを使ってメールやメッセージ、LINEのテキストが正確にタイピングできる。
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編集=安井克至

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