60点取れたら十分 ナジャ・グランディーバの「望みすぎない」人生哲学

ナジャ・グランディーバ(撮影=小田駿一)


何でもかんでも自分で決めなくていい


自分の何が評価されて、今こうしてテレビやラジオに出演させて頂けているんやろって時々考えたりはします。でも自分の「強み」なんて、自分ではようわからんものやね。

感情の起伏が少なくて、何事にも一定したテンションで接しているところは、私の大きな特徴かなとは思うんです。何事も望みすぎないところがあって、その無欲でフラットなところが逆に気に入られたりもする。

例えば、この子に何か買ってあげようかなと思った時に、向こうから「これ欲しいんですよ」って先に言われたら、一気に冷めたりするやん。逆に、控えめなところを見てくれていて、手を差し伸べて引っ張ってくれる人もいる。私はそういう人に拾われてきたのかもしれません。

ただ、控えめな子は「やる気がない」と誤解されてしまうこともあるから、何が正解なのかはわからへんよ。でも、世の中にはガツガツできない人もおるっていうこと。「望みすぎない」っていうスタンスが新たなチャンスを引き寄せることもあるんだから、不思議やなぁ。

事実、今一番楽しく感じるのは、家のソファでゴロゴロしながらYouTube を見たりしてる時やねん。夢も希望もないように見えるやろ? 実際夢も希望もないねん(笑)。でも、過剰な期待もしていない分、すごく幸せを感じられるんですよね。



私の名前を冠した番組でも、いつも周りに助けられてきたから、自分が主役だと思ったことは1回もないんです。主役じゃない方がラクだし、背負うものも少ないから。リーダーとかも面倒臭くてやったことないもん(笑)。それでも、なんやかんや、自分が望んだ方向にうまいこと進んでいくもんやなって思う。

私は基本的に「60点取れたらいい」と思って生きてる。だって、いつも100点の完璧を目指していたら疲れるやん。たとえ60点でも、他愛もないことでゲラゲラ笑って楽しく過ごせるんだったらそれでいい。まぐれで80点を取れた日があったとしたら、周りから「今日、すごいできたやん」って100点として評価されたりする。得してるでしょ。

いま毎日突っ走って頑張り続けている人には、もう少しゆっくり歩いてみる日があってもいいんじゃない? って伝えたい。みんなもうちょっとダラダラして、好きに生きてもいいよね。長いスパンで考えて、もう少しゆっくり歩いてみない?

構成=松崎美和子 写真=小田駿一

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